スマート農業で後継者育成 川北ファームがGPSトラクター

2022年07月13日 のニュース

 京都府福知山市川北の農事組合法人「川北ファーム」(松山功代表理事、63人)は今夏から、先端技術を駆使したスマート農業に乗り出す。地元の大規模ほ場で、導入したGPSによる直進アシスト機能付きトラクターをこのほど組合員に披露した。小豆、水稲、小麦栽培に使い、初心者でも熟練者並みの作業ができる利点を生かして農業後継者の育成をめざす。

 同地区では農家の高齢化で耕作放棄地が増えるなか、農地を守る体制を整えようと、昨年2月、集落営農組織の農事組合を設立した。ほ場1枚当たりの面積が小さく、約200枚あったが、築堤に伴うほ場整備(工期2015年-2025年3月)で、約20ヘクタールを25区画に集約し、作業効率を高めた。

 共同作業で生産性向上をめざすなか、省力化が図れる農機具の導入を決め、府の「スマート農林水産業実装チャレンジ事業」で2分の1の補助を受けてトラクター1台を購入した。耕運や畝立て、種まきなどに使う。

 お披露目ではメーカー社員の説明を受けながら、組合員が操作を体験。トラクターは今まで使っていた1・5倍の大きさで、GPS信号を受信しながら走り、ステアリングをモーターで操作することで、直進をアシストする。旋回は手動だが、モニターに作業済みエリアが表示されるため、簡単に走行ラインを合わせることができる。

 操作した組合員は「今までは何度も後ろを振り返りながら作業をしていましたが、ハンドルがぶれて真っすぐに進むのが難しかった。この機械なら短時間で精度が高い作業ができ、時間も大幅に短縮できる。疲れが随分減るだろう」と感想を語った。

 同時に除草剤や殺菌・殺虫剤の散布をする最新型ブームスプレーヤー1台も購入。機械に付いたアームを広げると幅16メートルにもなり、53カ所から薬剤が噴射される。今までは人海戦術だっただけに、大幅な省力化につながるとみている。

 昨年は4・7ヘクタールで小豆を栽培したが、今年は小豆を7・5ヘクタール、小麦を4ヘクタールで作付けする計画。ほ場整備完了後は水稲栽培も始める。

 松山代表理事は「スマート農業は農業離れを解決する糸口になる。初期投資は大きいが、省力化や労力の軽減、品質の向上にもつながり、それに見合うだけの利益を生み出すことができると思う。補助を受けて台数を増やしていきたい。組合員の家族から将来の担い手や機械オペレーターが見つかることを願っている」と話していた。

  

写真=最新鋭のトラクターなどを見学する組合員

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