地元のカフェと福祉施設を町内会が結ぶ 城山で「年金デー」の試み

2022年06月21日 のニュース

 京都府福知山市城山で、地域の福祉施設とカフェをつなぐ新たな試みが始まった。地区内にあるエスプレッソカフェドリーム(山本美夕起店長)が、2カ月に1回の年金支給日に合わせて行う「年金デー」サービスを、同じく地区内の福祉施設「小規模多機能型居宅介護おとなせ」(松井悠介管理者)の利用者が使ってみるというもの。カフェを訪れた施設の利用者たちは思いおもいの飲み物やケーキを味わい、笑いがあふれる時間を過ごした。

 この試みは、城山の余田新吾自治会長の発案によるもの。「同じ地区内にカフェがあり、福祉施設がある。うまく結びつけたら、いろんな人たちの笑いが広がる、地元活性化の場になるのではないか」と考えた。余田会長は、地域に密着した福祉活動をしているおとなせの松井管理者と日ごろから交流があり、カフェの常連でもあった。

 一方、城山におとなせが出来たのは2010年3月。以来、自治会の盆踊り大会に参加するなど、地域とのつながりを大切にしており、地元の人たちも利用している。

 カフェがオープンしたのは20年8月。自宅を改装し、山本店長の長年の夢を実現させた。また、このほど新たにガーデンテラス席も増設。アジサイやビワなどの花木に囲まれた屋外でコーヒーを楽しめる。

 年金デーのサービスは、施設の利用者に限らず年金をもらっているすべての人が対象で、偶数月の15、16両日に、コーヒーやカプチーノ、メロンクリームソーダなど、全種類の飲み物が50円引きになる。年金デーが定休日と重なるときなどは、実施日を前後する。

 16日は、おとなせの利用者のうち、70歳代から90歳代までの男女4人がカフェを訪れ、サービスを利用して屋外のテラス席でアイスコーヒーなどを飲み、レアチーズケーキを味わった。

 その様子を見ながら松井管理者は「最近はコロナで外出ができなかったけれど、みなさん楽しみにされていました。余田自治会長から声をかけてもらった時には、利用者と家族に喜んでもらえそうだと思いましたが、来てみたら、どんどん表情が柔和になって、話が弾んで。地域との関わりの新しい一歩になった」と話す。

 山本店長は「2カ月に一度の年金を、お得な“お楽しみ”に使ってもらえればいいなと思います。利用は年金をもらっていることを自己申告してもらえればOKです。これをきっかけに、もっと地元の人たちに来ていただきたいです」と話し、余田自治会長は「利用者が増えて、地元に明るい声が響けばと思います。カフェでの会話が年金デーを利用する人たちの生活のオアシスになれば」と期待を寄せている。

 営業時間は午前10時から午後5時まで。定休日は火、水曜。

 

写真=ガーデンテラス席でアイスコーヒーなどを飲みながら話が弾んだ

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