城下町と光秀PRしてきた福知山甲冑隊 高齢化で11年の活動に幕
2022年05月20日 のニュース

厚紙で作った鎧、兜を身に着け、城下町・京都府福知山市や戦国武将・明智光秀を市内外でPRしてきた「丹波福知山手づくり甲冑隊」(寺本吉勝隊長)が、22日で隊を解散する。発足から約11年。隊員の高齢化などが理由で、最後の活動は同日の第33回福知山お城まつりのフィナーレパレードに参加し、勇姿を見せる。
隊の結成は、寺本隊長(74)=東野町=が、京都市内での手づくり甲冑教室でこしらえた鎧と兜を着けて活動を始めたのがきっかけとなった。
寺本隊長は甲冑をまとい、福知山城での案内や福知山マラソン会場でのランナーへの応援をしてきた。この活動を知った市が、甲冑隊の結成を提案。2011年秋に開いた市主催の手づくり甲冑教室の受講者14人で隊を立ち上げた。
結成後も毎年のように教室を開き、手づくりの楽しさを伝え、隊員を増やしていった。市内のお城まつりや酒呑童子まつりなど地元イベントのほか、亀岡市の亀岡光秀まつりや兵庫県川西市の清和源氏まつりなど市外の行事にも参加し、その存在を知らしめてきた。
また関西国際空港や京都駅などへ出向き、福知山の観光PRにも尽力。「スペクタクル新作能『光秀』×甲冑隊in福知山城」でも切り込みのシーンに参加し、場を盛り上げてきた。
現在名簿上の会員は9人で、このうち主に活動しているのは5人。1人を除き年齢が70歳以上と高齢化している。体力が落ち、活動がしづらくなったうえに、若い人たちの入隊もないため、解散を決めた。
12年に入隊した田村宏さん(75)=市の谷=は、これまでにミニチュア品を含め23領もの甲冑を製作。「甲冑を着けていると、多くの人たちから注目を浴び、すごくいい気分になれた。大変楽しく活動ができました」と振り返る。
お城まつりのフィナーレパレードには、亀岡手づくり甲冑の会(亀岡市)や黒井城跡地活性化委員会(兵庫県丹波市)も参加する。寺本隊長は「最後は普段通りに楽な感じで歩きたい。楽しい思い出ばかりで、活動を通じて多くの人たちと知り合うことができて本当に良かったです」と話している。
写真=福知山城天守閣前でポーズをとる丹波福知山手づくり甲冑隊の隊員たち