水内の桐村さんが養蚕学び繭を「蚕の宮」へ奉納、正月のお守りに
2021年12月31日 のニュース

かつて盛んだった養蚕の復活をと、今年から技術習得を始めた福知山市水内の農業、桐村哲生さん(35)が、できた繭を、養蚕の神様を祭る丹波市青垣町東芦田の高座神社(梅只敏幸宮司)に奉納。「糸が様々なご縁を結びますように」と、神社が奉納繭でお守りを作った。正月の初詣で授ける。
昭和の半ばすぎまで、福知山では多くの養蚕農家が蚕を飼育して繭を出荷していたが、年々減少し、いまは出荷はゼロになった。
そこで養蚕の技術を途絶えさせないようにと、桐村さんは趣味の範囲で飼育を続ける人のもとへ今秋から通い、指導を受け始めた。黄色の糸を吐く種類の蚕に、桑を与えたりと世話を続けたところ、金色に見える繭が取れた。
この繭を有効にと、義兄の梅只昌弘さん(44)=呉服町=が祢宜を務める高座神社への奉納を思い立った。
創建1800年という高座神社は、境内に蚕の神様・馬鳴神社が鎮座し、青垣や隣接する福知山の人たちから「蚕の宮」と敬われてきた。
梅只宮司(76)は「古くから丹波の農村を、近代は日本を支えたのが養蚕でした。繭は家内繁栄、金運上昇をもたらす象徴でもあり、お守りにして参拝者にご神徳を得ていただくことにしました」と話す。繭のお守りは100体限定。
神社は福知山市からだと、豊富用水がある穴裏峠を越えて5分ほど走って右手。人の背ほどある巨大おみくじもある。
写真=できたお守りの清祓い入魂式で、繭を奉納した桐村さん(右)と梅只宮司