フジの香りが漂う場にと 有志が3年かけて広場を整備
2021年05月30日 のニュース

京都府福知山市夜久野町西垣自治会の有志5人が中心となって、地元の高台にある廃寺となった高源寺の跡に、住民の憩いの場となる藤棚を設けた広場の整備を進めている。3年前から盛土をするなど整地し、今春にフジの苗木を植え付けた。
高源寺のお堂は昭和24年(1949)に夜久野高原に移築され、放光院(夜久野茶堂)として名残をとどめる。地元の多くの人たちの心に残る地を、荒れ果てた状態にせず、花見などで交流できる場にしようと計画を温めてきた。
廃寺となってから畑地として利用されていたものの、荒廃が進んでいた。このため、一帯に土を運び込み約1メートルかさ上げして整地。その一角に太さ約5センチの鉄パイプを使って高さ約3メートル、幅約9メートル、奥行き約4メートルの頑丈な藤棚を組み立てて、フジの苗木6本を植えた。
その後、苗木は鉄パイプに絡みながら伸び、現在は当初の3倍の高さ30センチほどになっている。シダレザクラ2本も植樹した。周りには無事に鮮やかな花が咲くことを願い、シカよけのネットを張り巡らせている。
作業にかかわっている自治会長の中島千弘さん(77)、前自治会長の羽上田公彦さん(74)は「とても見晴らしがよく、近くに近江神社や観音堂があり、地元民が足を運びやすい場所。フジの花の甘い香りが漂う日が待ち遠しい」と話している。
写真=藤棚のなかで成長する苗木を見る羽上田さんと中島さん