みずみずしい肉厚の実 夏の京野菜・万願寺の収穫進む
2021年05月21日 のニュース

夏の京野菜「万願寺甘とう」の収穫作業が、京都府北部で始まった。長さ15センチにもなる大型のトウガラシで、甘みと独特の風味があり、全国でも人気が高い。生産者たちが、肉厚で緑色のみずみずしい実を丁寧に収穫、20日から出荷している。
万願寺とうがらしの名で栽培されるものもあるが、GIマーク(地理的表示)に登録され、京のブランド産品の認証を受けた最上品の「万願寺甘とう」は、JA京都にのくに管内で栽培されたものしか名乗れない。
大正末期に、舞鶴市万願寺地区で栽培が始まり、現在は綾部、舞鶴、福知山3市の約15・1ヘクタールで栽培している。福知山市内では万願寺甘とう福知山部会(北山慶成部会長)が生産し、昨年は約183トンを収穫した。
三和町中出、北山部会長(42)の広さ15アールの畑では、8棟のビニールハウスを建てて栽培している。5月上旬から収穫を進め、作業は11月ごろまで続く予定。全体では14トンほどの出荷を見込んでいる。
北山部会長は「質の良いものができています。ただ、今年は梅雨入りがかなり早いため、日照不足を心配しています。適切な管理をして収量が下がらないようにしたい」と話している。
写真=大ぶりの実を収穫する北山部会長