市役所業務にロボット導入3年目 データ自動入力で1300時間削減
2021年05月21日 のニュース

京都府福知山市が、行政業務にロボットの活用を進めている。データ入力の自動化などで業務時間の削減効果は大きく、事業開始から3年目の今年度は更に促進する。
人がマウスやキーボードを操作して行う単純で定型的なデータ入力作業を、パソコン内にあるソフトウェア型のロボットが代行する「RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)」を、2019年度に初めて導入した。
最初は月計資料作成や職員のヘルスチェック調査集計など市役所内部で完結する業務から始め、4課7業務で年間432時間の削減効果を生んだ。
2年目の20年度になると、AI(人工知能)を活用して手書き文字をスキャナーで読み取り電子データ化する「AI-OCR」を新たに加えて、RPAの使用範囲を拡大した。
これまで紙文書の情報を職員の手でパソコン入力していた放課後児童クラブ指導員の勤怠管理、ふるさと納税申請処理などで活用した結果、削減効果は9課17業務で年間1189時間と大きく改善した。
今年度の削減目標は年間1300時間を掲げる。ロボット導入事業の中核になる情報推進課、職員課、経営戦略課で近く合同勉強会をして、対象事業を決める。
ロボット導入の必要経費は、19年度が120万円、20年度が460万円、21年度が230万円(見込み)だが、職員の超過勤務が減っているため、歳出抑制につながる。ロボットは夜間や休日に稼働できる利点があるうえ、削減した時間を職員が住民対話や企画立案などに注力できることが最大の効果だという。
市情報推進課は「災害や新型コロナウイルスなど不測の事態の時に対応する余力を作ることにもつながる。今後もロボットの活用を進めていきたい」と有用性を語る。
写真=無人のパソコンでロボットが自動入力中