おりの遠隔操作などICTで有害鳥獣対策 三和と夜久野にモデル農区
2021年04月24日 のニュース

京都府福知山市は、ICT(情報通信技術)を活用した有害鳥獣対策を進めている。モデル農区として三和町川合と夜久野町直見中の両地区を選定し、それぞれ専門家の指導を受けながら、農作物の被害を減らす対策に取り組む。
市によると、イノシシやシカなどの有害鳥獣による農作物への被害は絶えない一方、駆除隊員の高齢化や担い手不足が課題となっている。
そこでモデル農区では、毎月1回程度、集落での獣害対策に先進的な知見のある兵庫県立大学の山端直人教授らを招き、ワークショップや現地視察を行い、地域住民とともに協議して捕獲作業の効率化などを図っていくことにした。
3月にはそれぞれの地域で第1回のワークショップが開かれ、被害やおりの確認をした。両地区では今後、ICTで遠隔操作できるおりの設置などをしていく。
川合地域農場づくり協議会のマネジャー、土佐祐司さんは「録画したカメラ映像から動物の侵入経路が分かったので、どこにおりを設置すると効率的なのか話し合っていき、捕獲を進めたい」と期待していた。
市はこのほかにも、捕獲状況などを可視化するシステムの構築などを計画している。市農林業振興課は「モデル農区で成功させて、他地域にも展開させたい」と話している。
写真=おりの確認をする山端教授(右)と川合地区の住民たち