市民のためにと他市より価格抑えたが… 福知山市のマスク6割近く売れ残る
2020年07月03日 のニュース

京都府福知山市は、市発行の購入券で買える不織布マスクについて、6月30日で販売を終了した。市内の全世帯3万6400世帯を対象に、1世帯につき50枚入りを1箱ずつ購入できるようにしたが、購入率は4割程度にとどまり、市が当初見込んだよりも利用が低調だったことが分かった。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、市民のマスク不足解消に-と、4月下旬に予算を計上。購入券を各世帯に発送し、5月28日から市内のスーパーマーケットで取り扱っていた。
6月初旬は一日400~1200箱が売れて順調だったが、中旬からは一日200箱ほどに減少。販売最終日の30日は、府内で新たな陽性者が相次ぎ、注意喚起基準に達したとして、西脇隆俊知事が29日の会見で予防を呼びかけたこともあり、約800箱売れた。
しかし、最終的に購入されたのは、用意した約3万6400箱のうち1万5193箱で、購入率は41・7%だった。市は80%を想定していたが、かけ離れた数字になった。
利用が低調だったことについて市健康医療課は「他市の同様の取り組みより価格を抑え、迅速に提供できるようにしたつもりですが、5月中旬には、市場にマスクが出回り始めた。時期の問題が大きかった」と分析している。
マスクは、スーパーが1箱2372円で仕入れ、なるべく安価で提供しようと、市が612円を負担して割り引き、1760円(税込み)で販売。売れ残った分は、市が仕入れ値で買い上げる契約になっている。
当初は7280箱(全体の20%)が売れ残る想定をしていたが、約3倍の2万1207箱(同58・3%)が売れ残った。買い上げ分が増えることなどから、当初予算よりさらに800万円以上を捻出する必要が出てきた。
市は「コロナ対策予算から工面する予定」としていて、「マスクは市の倉庫で備蓄しておき、災害時の避難所で配布するなどして活用したい。また福祉施設への贈呈も検討しています」と説明している。
写真=市が販売したマスク