冬だけじゃない! 秋から初夏まで味わえる 香住ガニ食べに行こう

甘みが強くみずみずしい

日本海の冬の味覚「松葉ガニ」(ズワイガニ)と並んで、いま人気が急上昇しているのが「香住ガニ」。甲羅が赤い「ベニズワイガニ」という種類で、関西での水揚げは兵庫県香美町の香住漁港のみ。9月の漁解禁以降、買い求める人々で、まちは連日賑わいをみせている。(2022年10月号掲載)

茹でる前から赤い甲羅が特徴

 香住ガニは水深800m~1500mの深海に生息している。ミネラルたっぷりの海洋深層水で育つため、その身はみずみずしく強い甘みを持つ。漁期は松葉ガニが11月から3月までなのに対し、香住ガニは9月から5月末までと長期間。価格も控え目で、手に取りやすいカニとして脚光を浴びている。

 よいこと尽くめの気がするが、劣化が早く、流通させるにはすぐに茹でるなどの加工が必要。昔から水産加工業が盛んだった香住はこの難点を克服し、ベニズワイガニを水揚げする関西唯一の漁港となった。

 漁は週2~3回ほど。競りを取り仕切る但馬漁業協同組合香住支所販売課の澤田敏幸課長によると、漁獲量は今年も順調といい、漁協直営の鮮魚店「遊魚館」には、競り落とされたカニが続々と並ぶ。

 おいしいカニの見分け方は「大きさに関わらず、ずっしりと重量があるもの。シンプルに茹でて二杯酢で食べるのがおすすめ」と話す。

香住港に水揚げされる香住ガニ。競りは朝6時半ごろから行われる

ランチフェア 開催中

鮮度抜群!  気軽に味わって

 香美町ではまちをあげて香住ガニをPR。シーズン中は、町内の鮮魚店にカニが並び、民宿ではカニづくしの料理を提供する。

 また、気軽に味わってほしいと香住ガニランチフェアを開催中。町内の9店舗でオリジナルメニューが登場している。2023年5月31日まで。問い合せは、香美町香住観光協会℡0796-36-1234。

うま味たっぷりのクリームソース

Grill Kitchen TEEDA の 香住カニボナーラ 1950円

お店で食べた写真を「#香住カニパスタ」と付けてインスタグラムにアップするとドリンクをサービスする。「足の身はパスタと混ぜずにカニそのものを味わって」と和也さん

 「グリルキッチン ティーダ」は、津田和也さん、委子さん夫妻が営む、香住のまちで数少ない洋食店。グリル料理やピザ、肉料理、時には和食も登場するなど幅広いメニューがあるが、この時期は香住ガニを目当てに訪れるお客さんが増える。

 「香住カニボナーラ」は、あっさりしていて食べやすいと好評の同店のカルボナーラに香住ガニを融合。奥深い味わいに進化させている。

 運ばれてきたときのインパクトはもちろんだが、甲羅をめくると隠れていたカニ身が現れ、二度ビックリ。カニのうま味たっぷりのソースをモチモチのパスタと絡めていただく。小鉢3品、サラダ、スープが付いて、ボリューム満点。

 ほかにカニ味噌が隠し味の「香住ガニのトマトクリームパスタ」(1950円)もある。

料理人の和也さんと接客を担当する委子さん。「ティーダ」は沖縄の言葉で太陽という意味。香住のまちを明るく照らすようなお店にと願いを込めている

2階はソファーやキッズスペースも備えたくつろぎの空間

1階はテーブル席

住所 香美町香住区七日市343-1
電話 0796-20-7440
営業 11:30~14:00、18:00~22:00
休み 火曜日
SNS インスタグラム

まるごと一匹 余すところなくいただく

カニ工房 まるや の マルヤ丼 2530円

丼の他に、カニ味噌、二杯酢、お吸い物、海苔、小鉢などが付く

 香住ガニが一匹どんと乗る。カニ専門加工業・マルヤ水産が直営する食事処「カニ工房 まるや」ならではの豪快な丼ぶり。最初は何もつけずに、そのままの味を楽しんで。次は二杯酢を付けて、最後はカニ味噌と絡ませてごはんと一緒に…と、いろんな食べ方で堪能できる。お米は、香住区で栽培されている「カニのほほえみ米」を使用。カニ殻を肥料に育てた有機米で、コシヒカリならではの甘みともちもちとした粘りがある。 

 生け簀に入った活ガニを選んで、刺し身や炭火焼きで食べることもできる。「焼きガニは、香ばしく甘みも一層強くなります」と販売部長の寺川佳孝さんはおすすめする。

 店内にお土産スペースを併設。競り落としたばかりのカニはもちろん、自社加工の甲羅盛り、カニおこわなどを販売している。

甲羅の下には一匹分のカニ身が!
「自社オリジナル商品のカニ煎餅もお土産に人気です」と寺川さん

目の前は香住の海

カニの看板が目印

住所 香美町香住区香住1809
電話 0796-20-9890
営業 9:00~17:00 食事は10:30~15:30 
休み 水曜日・第1・3木曜日
SNS ホームページ

カニと一緒にここ行こう

立ち寄りスポット

香美町は山陰海岸ジオパークに属し、雄大な自然や独自の文化など見どころがたくさんある。

大乗寺

 江戸時代中期の画家・円山応挙とその一門が描いた障壁画165面(国指定の重要文化財)が遺されている。腐食から守るため収蔵庫に保管され、通常はデジタル複製画を展示しているが、只今、現物約45点を特別公開中。来年3月15日まで。

香美町香住区森 860  ℡0796-36-0602
(開)9:00~16:00(受付15:40) (料)大人1200円・小学生600円

道の駅 あまるべ

 余部鉄橋「空の駅」の真下にある道の駅。水産加工品やお菓子、余部鉄橋グッズなどが並ぶ売り場コーナー、地元の食材を使った食事処がある。エレベーター「余部クリスタルタワー」に乗れば、「空の駅」へ45秒で到着。

売り場コーナー

空の駅へと登るクリスタルタワー

空の駅からの眺め

食事処ではカニ身とカニクリームコロッケを挟んだ「香住ガニバーガー」(610円)が食べられる

香美町香住区余部1723-4 ℡0796-20-3617

岡見公園

日本の夕陽百選。海を見下ろす絶景が広がる。香美町香住区一日市

2022年10月7日更新

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