おタキさんと行く 滝めぐり

 見て 触れて 飛び込んで!?

 自然の造形物である滝。神秘的な姿、流れ落ちる水の音、肌に感じる涼やかな空気に心身共に癒やされます。
 滝が好きすぎると話題の登山ガイド・おタキさん(丹波市)に北近畿の滝を案内してもらいました。全身を使った楽しみ方に、想像以上の驚きと発見がありました。

 おタキさんこと中辻郁美さんは、これまで全国1500か所以上を巡ってきた「滝マニア」。

 今回は、タウンタウンエリアから行きやすく見どころも多い宮津市の『今福の滝』と『金引の滝』を案内していただきました。

おタキ(中辻郁美)さん

 20代のころ、父と訪れた天滝(養父市)に魅了され、滝のとりこになる。
多くの人に滝の魅力を伝えたいと、「日本山岳ガイド協会認定登山ガイド」の資格を取得。関西を中心に少人数向けの登山や滝のガイドを行う。
滝で瞑想をしたり、滝の音を描くアートイベントなどユニークな企画もしている。
活動の様子はホームページやSNSで発信中。
丹波市在住。℡090-5137-3644
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今福の滝(いまふくのたき)

今福の滝の見どころの一つ「三の滝」。圧巻の水流は見ていて飽きない

癒やしスリル、そして感動

 宮津市今福地区の山腹にある『今福の滝』は、江戸時代の書物にも登場する名瀑。一の滝から七の滝までの七段あり、総落差は78.2mもある。主爆である二の滝(19.9m)と三の滝(19.2m)はもちろん「滝をいろんな角度から見ることができて、2度も3度もおいしい滝です」とおタキさん。

崖の下からゴウゴウと水の音が聞こえ、「もし落ちたら…」と考えて汗がにじむ。木などにつかまりながらゆっくり進もう

下は滝! スリル満点の道を歩く

すれ違いは不可能かと思われる細い林道を通って、麓までは車で行く。そこからは案内看板を頼りに歩いて登る。倒木や崩れかけている道もあり、慣れない人にとっては難所。長袖、長ズボン、運動靴は必須。

 石を渡っていろんな角度から滝をみる

迫力の三の滝

 見どころの一つ、三の滝に到着。ゴツゴツした岩肌を幾筋にも分かれて流れ落ちる様は迫力満点。陽光を受け輝くしぶきが美しい。石を渡ると滝のすぐ下まで行ける。「こちらからの眺めが素敵ですよ。いやこっちも…」。右へ、左へといろんな角度からの滝を堪能するのがおすすめ。

 二の滝下で瞑想するおタキさん。気持ちがよくて寝てしまいそうになるので注意

二の滝で瞑想

 さらに登ると二の滝に。すると、おもむろに滝の下で寝ころぶおタキさん。しばらくこのまま瞑想する。風と光、滝の音に包まれて、自然と同化するような不思議な感覚を覚える。

 開放感がありすぎる、一の滝からの眺め。真下には二と三の滝

一の滝からの絶景に感動

 一番上の一の滝まで登ると、はるか遠方を望む絶景が現れる。足をがくがくさせながら下をのぞくと、二と三の滝が見える。「上から滝が見られるのも、この滝の醍醐味です」。くれぐれも足元には気を付けて。

(所)宮津市喜多(京都縦貫道宮津天橋立ICから府道9号を大江山方面へ約3km。
※途中、鹿猪防護柵あり。開錠して入った後は、必ず施錠を
遊歩道入口からは徒歩で、往復約1時間。マムシやスズメバチに注意。またクマよけの鈴を付ける
(問)天橋立駅観光案内所℡0772-22-8030

金引の滝(かなびきのたき)

神秘的な雰囲気

滝と味わう一体感

 京都で唯一「日本の滝100選」に選ばれ、観光に訪れる人も多い『金引の滝』。落差約40m、幅約20mで、巨大な岩から豊かな水が流れ落ちる様子に自然の神秘を感じる。「滝への門戸を開いてくれる滝」とおタキさんが言うように、水流は穏やかで癒やしの雰囲気が漂う。滝壺は浅く、下は砂なので裸足で入れて水遊びもできる。

これぞ今福の滝の醍醐味!

打たれてほしい滝

 「この滝の魅力は打たれられるところです!」。意気揚々と滝に飛び込んでいくおタキさん。見た目以上の水圧だが慣れてくると目を開けることができる。滝の中からの世界が見られるのも貴重な体験。「滝との一体感が味わえます。ぜひ思い切って入ってみてください」

※滝に入る場合は、水着やラッシュガードの着用を。綿素材は乾きにくいので避ける。水にぬれると体が冷えるので、着替えや温かい飲み物などを持参すること。

(所)宮津市滝馬(京都縦貫道宮津天橋立ICから車で5分。駐車場から徒歩5分)/   滝の維持協力金100円/
(問)天橋立駅観光案内所℡0772-22-8030
※10月からは白衣を着て、宮司による祈祷も受ける本格的な滝行体験ができる(観光案内所へ要予約 5000円)

おタキさんおすすめ 北近畿の滝

直ぐ行ける!

 おタキさんに特徴的な滝を厳選してもらいました。
言葉では表しきれない魅力があるそうで、一緒に回れば、新たな楽しみか発見できるかも。
ガイド希望の方は℡090-5137-3644、もしくは「登山ガイド おタキ」のホームページ(https://takinavi.com/)から。

日ヶ奥渓谷の滝(雌滝と雄滝)

【丹波市】 水遊びができる、ファミリー向け


妙高山の北麓にある日ヶ奥渓谷。森林の中に連なる巨岩・奇岩の間を縫うように清流が走る。滝までは、遊歩道を完備。安全に行けるようロープやつり橋があり、ちょっとした探検気分。浅いところで子どもたちが水遊びをしたり、水中生物探しに夢中になれる。

 雌滝は落差12mの小さな滝。滝壺が深く、神秘的な雰囲気が漂う。その奥にある雄滝は落差10m。岩肌を水がベールのように落ちる様子が美しい。

 「滝は『日ヶ奥渓谷キャンプ場』から行けるので、バーベキューやデイキャンプもセットで楽しめて、家族連れにおすすめです」

雌滝(おタキさん提供)

雄滝(おタキさん提供)

(所)丹波市春日町多利(キャンプ場の駐車場から雌滝は5分、雄滝は10分) 
(問)丹波ええとこナビ℡0795-70-3501

源太夫滝(げんだゆうのたき)

源太夫滝(写真はおタキさん提供)

【豊岡市】 紅葉とのコラボレーション

 神鍋高原の南、蘇武岳の麓にある阿瀬渓谷には「阿瀬四十八滝」と呼ばれるほど、たくさんの滝がかかる。その中の代表格が、渓谷の入口にある『源太夫滝』。「落差20mの優雅な滝です。渓谷周辺には紅葉樹が多く、新緑や紅葉の時期が特におすすめ」。

 上流には、鉄砲滝、恐れ滝、座禅の滝など名前もユニークな滝があり、2時間30分ほどで巡れるハイキングコースになっている。朽ちかけた丸太橋があったり、ヤマビルもいるので、注意して散策を。

(所)豊岡市日高町羽尻(源太夫滝までは駐車場から徒歩15分)

布引の滝(ぬのびきのたき)

【伊根町】 浦島太郎伝説にも登場する幻の滝 

 雲龍山(標高358m)の谷間から白布を垂れたように流れ落ちる姿が名前の由来。落差は96m。京都府を代表する巨爆で、直近で見るのはもちろん、遠目からでも迫力が伝わってくる。「雨後など水量が豊かなときしか見られないので、幻の滝と言われています」。滝下までは車で行くことはできず、布引の滝展望公園の駐車場から徒歩で約1時間。

 浦島太郎伝説に登場し、太郎が乙姫様からもらった玉手箱を開けた時に白雲が高く立ち上りこの滝になったとか。

遠方からの眺め(伊根町観光協会提供)

真下からの眺め(おタキさん提供)

(所)伊根町本庄上(滝直下までは展望公園から徒歩で往復約1時間)※登山道入り口には、獣害防止用のフェンスを設置。開錠して入った後は、必ず施錠する/開放期間は4月から10月まで(8月除く)
(問)伊根町観光協会℡0772-32-0277

但馬は滝の宝庫

 但馬には滝が数多くあり、まさに「滝の宝庫」。中でも選りすぐりの3つを総称して「但馬三名瀑」といわれる。

 1つは「天滝」(養父市大屋町※現在、登山道欠損のため閉鎖中)。天から降るかのような姿からその名前が付けられた。落差98m、日本の滝100選に選ばれている。

 猿の尾に似ている姿から名前が付いたという「猿尾滝」(美方郡香美町)は、流れの中に自然が造形した仏像やマリア像のような石が見え隠れ。あなたは何に見えるかな?

 もう1つは「霧ケ滝」(美方郡新温泉町)。徒歩1時間半ほどの秘境にあり、健脚向けだが、切り立つ断崖を流れ落ちる様は圧巻。

天滝(おタキさん提供)

猿尾滝(おタキさん提供)
どこに仏像やマリア像がいるか探してみてください♪ 

霧ケ滝(おタキさん提供)

※散策は自己責任です
 山の中にある滝へ行くには、崩れたり滑りやすい危険な道を通ることがあります。また、マムシやスズメバチにも注意が必要です。服装は長袖、長ズボン、歩きやすい靴で。クマよけの鈴をつけましょう。水分補給も忘れずに。

2022年9月3日更新

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