春の花を見に行こう 

 色鮮やかな世界が広がる春。圧倒的な存在感を見せる樽見の大桜、種類豊富なツバキ、可憐な花をつけるミツマタ、シャガ、カタクリ、今回は3月から4月上旬にかけて見頃を迎える花々を紹介します。

養父市 出石藩の殿様も愛でた「樽見の大桜」

【写真】満開の大桜。樹齢が1000年を超えることから、別名「仙桜(せんざくら)」と呼ばれる

 樽見の大桜は、養父市大屋町樽見の集落の南側にある山の中腹、標高350mの所に自生する兵庫県下で最大のエドヒガンザクラ。樹齢1000年ともいわれ、樹高は13.8m、幹回りは目通りで6.3m。昭和26年(1951)に国の天然記念物に指定されている。 

 大正11年(1922)に発刊された明治政府の官僚・桜井勉の自著『校補但馬考』の中には、「この樹は、元禄年間(1688~1704)前後に最も盛んで=中略=出石藩主小出英安侯も見学に訪れた」と記している。この地が出石藩の領地だったことから、出石藩の儒学者・桜井石門や出石藩知事・仙石政固らも訪れている。大正15年の写真を見ると、風格さえ感じさせる。

【写真】大正15年の大桜。樹高20m、枝の広がりは3.8アールに達したという(兵庫県史跡名勝天然記念物調査報告第4号 昭和2年3月発行より)

 その大桜も昭和42年(1967)頃から幹や枝に枯れが目立つようになり、樹勢が衰えてきた。地元で樽見大桜保存会が作られ、世話に励んだ。それでも桜の花や葉は減少し、平成5年(1993)には幹や枝だけが目立ち「ガイコツのよう」と言われるほどに。そこで4年後から文化庁などの支援を得て、当時の大屋町が樹木医による土壌改良や不定根(幹や枝から出る根)をパイプで地面に誘導するなど、樹勢回複のための本格的な治療を開始。合併後も養父市が維持管理を続けてきた。

【写真】大桜のそばには、口大屋小学校(閉校)の児童が育てた苗木から大きくなった子桜が成長している

 その結果、現在では樹木全体を覆うほど多くの花や葉が茂るようになり、兵庫県を代表するエドヒガンザクラの名所となった。平成13年からは大桜の苗を植樹し、山全体が桜山になっている。4月の開花時期には約1万人の見学客が訪れる。

【写真】例年4月第2週あたりが見頃。駐車場から山道を歩いて見学者が訪れる

場所/養父市大屋町樽見字ケジメ85番地
(大屋川沿いの県道6号を大屋町中から林道に入り、登山口に至る。駐車場(20台)から徒歩15分。見頃に合わせて県道沿いに「樽見の大桜」の旗が立ち、樽見の大桜保存会の人達が混雑時の交通案内、特産品の販売を行うなど見学を手助けしている)
問い合わせ/TEL079-663-1515 やぶ市観光案内所 

舞鶴自然文化園のツバキまつり

3月20日(水)~4月14日(日)

 1500種3万本のツバキが咲く。ツバキの苗木販売(3月31日まで。売り切れ次第終了)のほか、思い出写真プレゼント(3月20・21日)・甘酒の振る舞い(3月21日)、お茶席(3月31日)、ツバキの植え替え実演(4月6・7・13・14日)、大正琴の演奏(4月7日)、園内の一部をドッグランとして開放するワンワンひろば(4月13・14日)、各種教室なども実施する。

場所/舞鶴市多祢寺24-12 舞鶴自然文化園
時間/9:00~17:00(最終入園は16:30)
料金/大人300円、小中学生150円   
問い合わせ/TEL0773-68-1187 舞鶴市花と緑の公社

【綾部市】 水源の里・老富のミツマタとシャガ

見頃は3月下旬から5月中旬まで

 杉林一面を黄色いミツマタが、続いて神秘的な白いシャガの群落が埋め尽くす。3月23日㊏~5月19日(日)までの水・金・土・日曜日、祝日には休憩所「花やどり」がオープン。特産品のとち餅ぜんざいや、とち大福、おにぎりなどを販売する。

場所/綾部市老富町在中
料金/無料
時間/見学自由(クマに注意!)
問い合わせ/TEL0773-54-0095 上林いきいきセンター(平日8:30~17:15)

【丹波市】 丹波かたくりまつり2019

4月7日(日)

 氷上町清住には、日本有数で関西最大のカタクリの密集群生地がある。開園は3月下旬~4月中旬。見頃は4月初旬の、気温が高い晴れまたは薄曇りの日。7日のかたくりまつりでは特産品の販売や軽食屋台が出る。

場所/丹波市氷上町清住
時間/9:00~17:00
料金/入園料300円(中学生以上)
問い合わせ/TEL0795-87-2222 あおがき観光案内所

2019年3月9日号掲載

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