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両丹日日新聞2017年3月10日のニュース

高齢者に役立つ料理本 閉校を前に成美大短大が作成

0310tandai.jpg 3月で閉校する京都府福知山市西小谷ケ丘の成美大学短期大学部が、地域に入って2年間続けてきた「高齢者の食育」活動の集大成となるレシピ本づくりを進めている。教職員の管理栄養士3人が監修し、「栄養バランス」「味」「作りやすさ」の三拍子そろった56品目を収める。

 成美短大は栄養士などの資格が取得できる食のスペシャリストを育成する生活福祉科食物栄養専攻コースの単科校。地域連携事業として、市社会福祉協議会の協力を得て市内の10の高齢者サロン(集まり)に入り、出前講座や調理実習などで高齢者の食育に取り組んできた。

 毎日の食事の大切さへの意識付けへの成果はアンケート調査でも見られたが、地域住民の生の声を聞くことで課題も見つかった。

 サロン参加者たちから「キャベツを1玉買っても残って困る」などの声が上がり、献立に悩みがあることを掘り起こした。ある高齢男性は「料理に興味はあるけれど、技術が追い付かない」と話し、調理の手軽さも重要と分かった。

 対策として考えたのが、体に良く、おいしく、作りやすい料理のレシピ本だった。短大部地域連携部長の野間智子准教授(55)、助手の芦田聖子さん(36)と藤田奈奈子さん(30)の管理栄養士3人が協力して、2月からレシピ作り、調理、試食、原稿書きを続けている。

■飽きずに作れるよう一つの食材を7品に■
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 飽きなく作れるように、メインの食材(主に野菜)から七つの料理を仕上げる。レシピ本は、食の七変化と七色の虹をかけて「虹色レシピ」と名付けた。

 食材は、カボチャ、ハクサイ、ニンジン、タマネギ、キャベツ、ダイコン、キノコ、その他の8つで、料理は計56品目。例えばカボチャは、デパ地下サラダ、スープ、ソテー、マリネ、コロッケ、プリン、みたらし風菓子に変わる。

 栄養士の専門性を生かし、カロリー、タンパク質、脂質などの栄養価も記す。

 レシピ本は、市元気出す地域活力支援事業の補助金を受けて、カラー刷りA4判64㌻で600冊程度をつくる。完成は4月以降になる見込みで、市役所まちづくり推進課、市社協などで無料配布する予定。

 野間准教授は「栄養と味と作りやすさのバランスが難しく、試行錯誤しました。短大部は閉校しますが、レシピが福知山の家庭や地域の集まりなどで活用され、健康寿命の延伸に役立ってくれればうれしい」と話す。


写真上=栄養、味、作りやすさの三拍子の料理を試作する管理栄養士の3人
写真下=一つの食材を7品目にする虹色レシピの原稿


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