京都府指定文化財の丹後二俣和紙を作る福知山市大江町二俣一の田中製紙工業所で、この時期ならではの「寒漉(かんず)き」が始まっている。厳寒期に漉くと目が細かい良質の和紙が出来、身を切るような冷たさの中、一枚ずつ丁寧に仕上げられている。
江戸時代から丹後和紙(丹後二俣紙)の製造を続ける田中製紙工業所では、年中紙漉きをしているが、冬の低温の時期は雑菌が繁殖しにくいうえに、原料のコウゾの繊維を分散させる役目がある植物、トロロアオイの粘液の粘りが長持ちし、良い紙が出来るという。
寒漉きを担当するのは田中製紙5代目の田中敏弘さん(56)。年が明けてから最盛期を迎えている。
冷たい井戸水を張った漉き舟(水槽)の中に、コウゾの繊維を溶かした液とトロロアオイの粘液を入れて、台にすだれを乗せた道具「簾桁(すげた)」に液を流し入れて漉く。
今は書道用で、掛け軸にする和紙を漉いている。紙の厚さが均等になるよう、かじかむ手で簾桁を前後左右に動かしていく。
作業場の室温は7度ほど。田中さんは「これからさらに作業に適した時期になるので、寒くなることを願っています」と話している。
寒漉き作業は3月上旬まで続く。
写真=簾桁を器用に動かし、和紙を漉く田中さん
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