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両丹日日新聞2017年5月29日のニュース

余命宣告の男性 元気の源・竹筒貯金を動物園に寄付

二本松園長と中村さん 3年前の夏に重い肺の病気で余命5年と宣告され、自宅で療養生活を続ける京都府福知山市北本町一区の元カメラ店経営、中村政夫さん(75)が、三段池公園の市動物園で販売されていた竹製の貯金箱にためてきた浄財を園に寄付した。中村さんにとって、病気と闘いながらも日々の買い物のお釣りの硬貨をコツコツと貯金することが、元気の源になっている。

 中村さんは14年8月に病院で医師から余命5年と宣告された。自宅では酸素吸入器を使い生活。外出する時は酸素ボンベを持ち歩いている。

 宣告を受ける少し前、50年来のアマチュア無線仲間の二本松俊邦さん(72)が園長を務める市動物園を訪れた際、竹の貯金箱が並んでいるのを見つけた。園では飼育しているレッサーパンダの餌として竹の葉を与えており、竹自体は廃棄される運命にあることから、筒の貯金箱に加工して14年5月から1個100円で販売していた。貯金箱を作ったいわれを二本松園長から聞き、「これはおもしろい」と、自宅に1個置いて使い始めた。

 買い物でのお釣りが出ると、すぐに貯金箱に入れた。100円、500円以外の硬貨だけだが、やがていっぱいになった。中村さんは、たまった硬貨を動物園で有効に活用してもらえたらと、園への寄付を決め、25日に二本松園長に貯金箱ごと手渡した。

■思わぬ善意に園長感激■

 二本松園長は「貯金箱は動物園に来てもらった思い出になればと販売しているもので、まさかこんな形で戻ってくるとは夢にも思いませんでした。本当にありがたい」と感謝する。

 また別の女性からも名前を告げずに、同じ貯金箱の寄付があったため、園では改めて感謝の気持ちを伝えるため「ぜひ連絡してほしい」と呼びかけている。

 中村さんは「余命宣告されていますが、せっかくたまったので、自分が元気なうちに寄付しようと思いました。今のところ体調は良く、また動物園にも行きたい」と話している。

 園では中村さんと女性から贈られた浄財の使い道を市、市都市緑化協会と相談して決める。

 二本松園長は中村さんにずっと元気でいてもらおうと、新たに竹の貯金箱をプレゼントする予定で、中村さんは手元に届けば「またいっぱいになるまでためていきたい」と話している。


写真=二本松園長(左)に硬貨がたまった竹の貯金箱を手渡す中村さん。左の貯金箱は女性から届いたもの


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