2002年度予算を見る 福知山市5

基金から繰り入れ積極投資


 不況の影響は全国的に深刻で、各自治体では厳しい財政運営を強いられている。福知山市では五年ぶりに財政調整基金から1億5千万円を繰り入れるが、今回は財源不足を補うためのマイナス的な措置というより、むしろ積極的な投資とするプラス的な措置と意義付けている。


 財源がなければ、歳出を減らすのが普通だが、市は、基金から繰り入れて事業を増やし、公共工事を発注することで、市内の業者が潤い、景気回復のきっかけになればとの考え。1億5千万円の財源を使い、国の補助や起債などをからめて事業を展開していけば、10億円程度の事業効果をもたらすと期待している。


個人、法人税とも落ち込み
 歳入全体の36.2%を占める市税のうち、市民税は個人、法人とも前年度比で減額の予算計上に。特に法人は10.6%減と大幅な落ち込みを予想している。2000年度は製造業で業績が伸びていたが、景気の低迷やデフレなどの影響で、その後、他の業種同様に鈍い伸びに。このほか市税の中では、健康ブームで喫煙者が減っていることから、たばこ税を2%減の5億5千500万円とした。


地方交付税は1億円減に
 地方交付税は前年度より1億円減の48億5千万円を見込んでいる。昨年五月に小泉純一郎首相が地方交付税の削減方針を表明。沈滞した経済情勢が続くと、今後地方交付税が更に減っていくことが予想される。市では多額の地方交付税が入ってきたバブル期、予算を膨らませずに基金として残した。現在の基金の総額は約90億円。財政調整基金など自由に使える基金は約50億円あり、景気低迷で厳しいふところ事情としながらも、柔軟に動ける体制を整えている。


 歳出では市の借金にあたる公債費、人件費などの義務的経費が前年度比2.5%増の128億3千900万円。投資的経費は一般会計の減などで、18.2%%減の60億600万円となっている。 


特別会計に宅地造成事業を新設
 特別会計は、用品調達事業が前年度比93.9%%減の5千200万円。これまで国民年金を受け取る際に必要な印紙購入を同事業からまかなっていたが、新年度から市町村がやっていた収納業務が国の業務となるため、大幅な減とした。また新年度から、新たに戸田地区の移転などにかかわる宅地造成事業会計を設ける。実質的な事業開始に向けての設置で、庁内にも経済部に「西中筋整備課」を新設し、事業の進ちょくを図っていく。


ハード事業からソフト事業への転換
 厚生会館改修など広小路通り関連の整備が終わり、リサイクルプラザの建設も新年度で完了する。大型プロジェクトが一段落したこともあり、新年度は雇用対策や福祉、人権施策などソフト事業を数多く採り入れている。市の芦田昭総務部長は「今後ますます、ソフト事業の重要性が高まり、市民の間からも要望が上がってくる」とし、「ソフト事業などについては行政主導ではなく、市民のみなさんにも知恵を出してもらい、一体となったまちづくりを進めていく必要がある」という。そのためには将来、住みよいまちづくりを積極的に進めてもらう人材の育成にも力をいれなければならないとしている。


各特別会計と企業会計の予算額は次の通り。カッコ内は前年度当初比の伸び率。

◎特別会計◎
 国民健康保険事業45億3千万円(7.7%増)▽国民健康保険診療所費3億3千100万円(3.4%増)▽用品調達事業5千200万円(93.9%減)▽と畜場費3千100万円(18.1%増)▽簡易水道事業12億9千300万円(7%増)▽下水道事業42億4千600万円(1.6%増)▽休日急患診療所費2千500万円(2.3%減)▽公設地方卸売市場事業5億7千900万円(0.5%増)▽老人保健医療事業63億2千万円(4.4%増)▽福知山駅南土地区画整理事業19億3千300万円(7.8%減)▽農業集落排水施設事業13億700万円(0.8%増)▽産業廃棄物処理事業2億7千700万円(4.4%増)▽石原土地区画整理事業19億400万円(17.9%増)▽駅周辺土地区画整理事業17億400万円(5.7%減)▽介護保健事業30億4千700万円(5.4%増)▽宅地造成事業1億7千500万円(新設)


◎企業会計◎
 ガス事業12億4千800万円(8.8%減)▽水道事業26億8千500万円(8.8%増)▽病院事業77億300万円(27.1%%増)


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