生き残り賭ける地方自治体 福天・綾2市3町の合併問題

(6)綾部市の事情

大方が「合併やむを得ず」  関心持つ人、するなら人口10万人規模か


 今月16日、綾部市内で「座して待つか 受けて立つか」と題して市町村合併を語り合う会が開催された。主催したのは、平成11年5月に同市の市民有志で立ち上げた「あやべ塾」(佐々木幹夫塾長)。まちづくりを考える市民団体の同塾は、昨年1月以降の月例会で市町村合併をテーマにした学習・研究会を3回開いてきた。


 平成12年の綾部市の人口は3万8881人。高齢化率28.7%。市財政のうち「自前で賄える」割合を示す財政力指数は0.462で、半分以上は国からの交付金などに頼っている。水洗化は、11年度で農業集落排水事
合併を語る会
合併を語る会
業の受益者が2600人余り。公共下水道などの普及率は17.4%…。これが綾部市の実態だ。


 今後の市人口も、同市の高齢者福祉計画では16年度に3万7957人となり、高齢化率30.8%が予想される。ほかの想定資料では、12年以降の15年間で市人口は10%減ると予想しているものもある。こうした実態や将来予想を見ると「できることならしたくないが、合併はやむを得ない」というのが、合併問題に関心や知識のある住民の大方の考えのようだ。


 合併論議で中心となるのが、国が示した「飴(あめ)」となる財政措置。国は合併自治体に対して10カ年間は、合併しなかった場合と同等の交付税額を各年度、旧自治体ごとに割り出して、保障するとしている。


 しかし、今の経済情勢で国の交付税の総枠が縮小する状況のもとでは、合併しなかった場合の額を保障するとはいえ、額が減っていくことが避けられそうにない。「合併したが、予想した内容の飴ではなかった」という結果が生じないとも言えない。まして、10カ年を過ぎたあと5年間で段階的に新自治体に見合う交付税額に削減される。


 国の交付税算定は、人口10万人、面積160平方m、世帯数3万5000などの標準的な地方団体(基準自治体)を設定して行っている。合併しても10万人に届かなければ15年後には厳しい財政運営を迫られることになる。そのため「合併するなら少なくとも人口10万人規模に」というのが財政面からの考えになる。


 16日の「語り合う会」には、綾部市を中心に福知山市と大江、三和、夜久野の3町、それに舞鶴市や丹後地域からも住民や議員、行政関係者など80人余りが参加した。参加者は一定、合併問題に関心が高いといえる。そして発言した人の大半は「合併は必要」という見解だった。


 その中で「合併は見合いと同じ。結婚の意思があっても、相手に拒まれたら…」との意見もあった。舞鶴市を除く2市3町の合併案では、「まずは福知山市と3町が先行する」といった声が出ている。一方、「10万人を念頭に置くと綾部を外す訳にもいかないだろう」という人も少なくない。


地方分権推進には舞鶴市も含めた人口20万人以上の「特例市」目指す考えも
 この10万人という数字は、決して意味がないわけではない。しかし、あくまでも国からの交付税を考えた状況での話でもある。財政も重要だが、市町村合併と同時に考える必要があるのは「地方分権」という問題だ。住民が自らの手でまちづくりを進めるには、国や都道府県が持つ権限を地方自治体が1つでも多く手に入れることだ。


 その手法の1つに「特例市」がある。特例市になると、たとえば現在は府が持つ開発行為の許可などを自らの手でやれる。だが、特例市になるには20万人以上の人口が必要となる。そのためには2市3町に加えて、舞鶴市を含めた6自治体が大同団結する方法をとらねばならない。ただ時期を逸すると総人口は20万人を割りかねない。


 合併は、人口規模の小さな自治体にとっては将来の「痛み」となる事態だ。同時に首長や議員、職員の大リストラでもある。住民発議が困難な合併問題は、30年、50年先の中丹地区を見据え、首長や議員らが行政域と現状の立場を越え、歴史と自らの地域に名を残すという重大な決意を持って挑まなければならない緊急課題とも言える。

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