生き残り賭ける地方自治体 福天・綾2市3町の合併問題

(1)「飴」「鞭」の両面

国が自治体合併に特別支援策 一方で地方交付税全体は減額の方向へ

 市町村合併に関し今月4日、丹後地域の6町は府から「合併重点支援地域」の指定を受け、地方分権を進めるためにも合併に向けた取り組みを始めた。府内での具体的な動きはこれが最初だが、府市町村行政改革支援会議が先に示した合併の組み合わせをみると、中丹地域では福知山市と綾部市、三和町、大江町、夜久野町の2市3町が候補の1つに挙げられている。この地域は、両丹日日新聞社(同・福知山市)とあやべ市民新聞社(本社・綾部市)の発行エリアになることから、共同取材班を組織して「飴(あめ)と鞭(むち)」といわれる国の方針や地方での合併の意義、住民の声などを探った。【共同取材班】

 現在、全国には3200余りの市町村がある。その数を当面、1000に集約する閣議決定(平成12年12月1日)がなされた。換言すると市町村合併は、国がどうしても進めなければならない行政改革の1つ。閣議決定では同時に平成17年3月までに十分な成果を上げたい、としている。


 そのために国は昨年3月、総務大臣を本部長とする「市町村合併支援本部」を設置し、最終期限の17年3月までに合併を実施した自治体に対する様々な特例措置などの支援プランを昨年8月に提示した。この
中丹地区行政改革推進会議
舞鶴を含む3市3町の首長が出席し昨年8月に開かれた中丹地区行政改革推進会議。合併問題も話し合われた
支援プランが、いわゆる「飴」といわれるものである。


 そのうちの地方財政措置では、新自治体は合併後の10カ年度、従来の各自治体が受けていた普通交付税の総額を保障▽合併後の行政一本化に要する経費や行政水準・住民負担の格差是正の交付税措置▽公共料金や公債費の格差是正の特別交付税措置-などがある。


 普通交付税の10カ年度総額保障や合併特例債などの財政措置は、合併した自治体には「飴」となるが、合併しなかった自治体にとっては「鞭」となって返ってくる。


 地方交付税は、各自治体の人口規模などで試算され金額が決まる。その際、人口10万人が基準自治体となる。だが人口規模が小さな自治体でも、人口に関係なく必要となる事務経費などがある。このため国は、コスト分の補填(ほてん)を段階補正として交付税に上乗せしている。


 段階補正の占める割合は当然、人口規模の小さな自治体ほど高い。国は段階補正を14年〜16年度に見直すという。その結果、人口3万人の自治体は年間約3000万円、4千人規模なら5500万円の減収となる。


「基準自治体」は人口10万人に設定

 各自治体への地方交付税全体が減額されるなか、段階補正の見直しは5万人以下の自治体にとって住民サービスを進める上ではかなりな痛手となる「鞭」といえる。


 また、現状では「痛みが少ない」と言われる5万人以上の自治体であっても、標準自治体の人口が10万人である以上、交付税全体が減る財政下では、ほかの「鞭」などと併せ、そう遠くない将来に「痛手」となることが予想される。


 交付税以外での支援としては、それぞれ条件付きではあるが、合併に伴う広域化での道路整備、増加が予想される水需要に対応するための上水道整備、公共下水道を含む下水道普及の促進などのほか、医療福祉の充実、産業振興といったものがある。


 ただ、これらの支援策は、合併を実施した自治体にとっては一定期間の「飴」となっても、合併をしなかった自治体にとっては支援を受けられないというだけでなく、切り捨てという「鞭」となる危険性もうかがえる。


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