「鉄腕アトム」にあこがれて
 ソニーのAIBOを開発 福知山出身の大槻正さん 福高100周年式典で講演

 ソニーのペット型人工知能ロボット「AIBO(アイボ)」が、福知山で話題になっている。世界的な人気となった犬型の初代に続く第2世代のライオン型が、世界でも先駆けて福知山でお披露目された。地元出身のAIBO開発者が母校で講演をするため携え帰郷したためだ。

 帰郷したのはソニー株式会社エンタテイメントロボットカンパニー・デピュティプレジデント
の大槻正さん。福知山市石原の出身で福知山高校第19回(1967年

「夢と勇気を」と話す大槻さん
)卒。静岡大学からソニーへ入り、ミニディスクなどの開発をし、AIBOは開発グループのチーフとして携わってきた。多忙な毎日だが、15日の福知山高校の創立100周年記念式典で講演をするため帰郷。前日には福知山市役所部課長研修の講師として「企業から見たIT革命と戦略」と題して情報化戦略の重要性を解説。福高式典では在校生たちに夢と勇気を持つことを説いた。

 大槻さんは漫画「鉄腕アトム」が好きな少年だったという。お茶の水博士にあこがれ、「ロボットと人間が共存できる世界を実現したい」と思っていた。それが、自分で考え行動するロボット「AIBO」につながった。本物の犬に近い動きをし、人間の動きにあわせて喜んだり、すねたりといった感情表現に近いものもできるペット・ロボット。予約開始と同時に注文が殺到する大ヒット商品になった。犬型に続く新作(第二世代)ライオン型が発表されたのは12日。プレス発表されただけで、ほとんど一般の人の目に触れていない。

 第二世代AIBOは、音声認識技術が取り込んであり、名前を呼ぶと手をあげたり返事をしたりする初代にはなかった動きが加わった。こうした技術はどんどん進歩しており、大槻さんは「AIBOが飼い主の顔を覚え、『ただいま』と言うと『お帰り』とこたえる時代が、もうそこに来ている」と説明する。


生徒たちの前でAIBOのデモンストレーションをする大槻さん
 これらの技術を応用すると、今はキーボードとマウスを使って人が操作しているパソコンを、AIBOのような物が代わって操作をしてくれるようになる。「だれもが使いやすい情報機器とは、どんなものか」。いま盛んに研究されている。

 研究者たちは理系のエンジニアたちだが、各自で心理学などいろんな勉強をしているという。一方で、若者の中には自分の将来への希望をはっきり言えない人が多い。どういう仕事がしたいかを聴いても、非常にあいまい。この例を基に、福高では生徒たちに「目標を立てて学習する」ことを、次のようにアドバイスした。

「目標を立て達成する喜びを」後輩たちにアドバイス

 大学で学ぶことは、ある程度までは役に立つが、実社会では足りない。社会人になってから学ぶことの方が多い。しかし高校や大学で学ぶ知識は非常に大事だ。それは「教養」になるから。理系の者は技術の話は興味があるが、外国人技術者と食事をしていて日本の歴史に話題が向いた時、話ができるか。広い知識を持つことで相手から尊敬の念を持ってもらえ、いろんな交渉がスムーズにいく。

 文系の仕事をする人こそ、中学・高校の数学が必要だ。実社会に出たときに、どういうことを活用しなければならないのかを考えてほしい。そうすれば、みなさんの学習への取り組みも変わってくるでしょう。

 テストは100点から零点までだが、実社会は100点が満点ではない。200点も300点もある。その代わり下は零点ではない。マイナス100点も200点もある。それだけ幅が広い。一歩、また一歩と高い目標を立て達成する喜びを体験してほしい。実社会での励みになるし、経験になる。二つの選択肢があれば、できることが分かっていることより、できるかどうか分からないことを選んで挑戦してほしい。困難なことを選ぶという、ちょっとした勇気で、夢をかなえて下さい。

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