新しい街の顔 来年春に誕生 
 開業100周年を迎えたJR福知山駅の現在の駅舎が建ってから半世紀が過ぎた。さまざまな旅のドラマが生まれた思い出多い駅舎の南側では、新しい街の顔となる高架駅の建設が始まっている。福知山踊りの編み笠や福知山城をイメージして城下町らしさを演出した外観。そして、エレベーターやエスカレーターも設けてバリアフリーに配慮する。南側駅前の公園には旧福知山機関区で活躍した転車台やSLを置き、鉄道のまち福知山をPRするという。温かみがあり、安心感を与える新駅舎にバトンタッチする日は、もう来年春に迫っている。
開業100年 JR福知山駅

エレベーターなどを設置 南側公園には転車台とSL

 福知山市南岡町の国道9号から市街地を見下ろすと、工事が進み、帯状になった高架の姿が見える。府が事業主体となり進めている福知山駅付近連続立体交差事業で、19プラットホームが付き、レールが敷かれた幅広い高架が姿を見せている新福知山駅の建設地。南口側97年秋に着手した。鉄道で分断されている市街地南北を一体化して、交通をスムーズにしようというものだ。

 この事業で高架になるのはJR山陰線、福知山線、電車基地線と北近畿タンゴ鉄道(KTR)宮福線の計約6・1km。高架化によって市街地の踏切9カ所が撤去され、さらに幅広い都市計画道路4路線が交差し、交通渋滞が解消される。新しい駅舎は北近畿の都づくりを進める福知山にふさわしく、デザインや規模、機能とも素晴らしいものになる。現在の駅舎南側に約新駅舎は現在の営業路線の南側にできる60m移り、面積は約3400平方mと倍の広さになる。間口70m、奥行きは52mだ。

高架下には商業施設も

 駅に隣接して高架下に商業施設もできる。京都、大阪方面の東ブロック約2400平方mと城崎方面の西ブロック約1000平方mにJR西日本グループ会社の店などが出る。空き区画が出た場合は一般公募も考えている。

 JR線の高架への切り替えは来年春だが、その後、KTR駅舎の工事が進み、09年春にすべての事業が終わる。総事業費は約350億円を見込んでいる。

駅北にはイベント広場

 駅の南北の広場と公園も魅力的な造りとなる。市が95年度から、市中心部の商業地区や鉄道用地17・8fを対象に進めている駅周辺土地区画整理事業の一環として整備。現在の駅正面にあたる北側には、約7000平方mの広場と約3000平方mの1号公園を整備。広場には一般車両の駐車場、タクシーの待機場、民間バスターミナルを設け、公園の目玉として市民の憩いの場となるようにステージ付きのイベントスペースをつくる。
 南側には約5000平方mの広場と約2400平方mの公園を計画。広場は一般車両の駐車場、タクシーの待機場ほか、高速バスや高校のスクールバスの乗降場を設ける。公園には「鉄道のまち福知山」の歴史を伝える重要な資産として、旧福知山機関区で活躍した列車の向きを変える転車台も。長さ約20m、幅約4m、重さ約30dの大きなもので、府外から譲り受ける予定のSLを置く。自転車置き場は高架下につくる計画だ。

福知山踊りの編み笠、城をイメージした外観で城下町を演出

 デザインは城下町らしさを盛り込んだ。プラットホーム部分の防風スクリーンは、福知山踊りで踊り手がかぶる編み笠をイメージし、外壁は福知山城の白壁と黒い屋根を連福知山踊りの編み笠や福知山城をイメージしてデザインされた新駅舎想させるように工夫した。高架上のプラットホームはJRが3面5線、KTRが1面2線。荷物車を含めると最大12両編成になる寝台特急「出雲」が収まるように長さ280mを確保している。

 高架下に中2階を設けた駅機能部分ができる。JR部分はコンコースや改札口、駅員施設などが設けられ、市交通バリアフリー基本構想に基づいて各ホームとは階段だけでなく、エレベーターや上下両方向のエスカレーターで連絡する。乗り換え通路は中2階に設ける。南北の広場に自由に行き来できる幅20mの通路もつくる。

 北側のKTR部分は、駅前広場から階段を上がり、中2階で切符を購入して改札を通り、プラットホームに上るようにする。エスカレーターやエレベーターも設置する予定。

気持ちよく鉄道を利用いただくため頑張りたい 谷垣和男駅長

 福知山駅開業後、45代目となる現在の谷垣和男駅長(54)は、69年(昭和44年)から、豊岡駅を皮切りに福知山支社管内で勤めている。「JR西日本管内で府、県庁所在地以外に支社があるのは福知山だけ。福知山駅はその看板駅になっている。長年親しまれた現在の駅舎が姿を消すのは寂しい思いもするが、デザイン、機能とも優れた新しい高架駅が誕生する日が待ち遠しい。気持ちよく鉄道を利用していただくため、こんごも接客教育を徹底したい。駅が地域に密着し、活気あふれる街づくりの拠点となれるように地元の観光振興を図るなど頑張りたい」と話している。>>第2部「鉄道のまち」へ続く


写真上:プラットホームが付き、レールが敷かれた幅広い高架が姿を見せている新福知山駅の建設地。南口側
写真中:新駅舎は現在の営業路線の南側にできる
写真下:福知山踊りの編み笠や福知山城をイメージしてデザインされた新駅舎
第2部「鉄道のまち」を読む>>CLICK