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両丹日日新聞2019年1月 2日のニュース

福知山に鉄道開通120年 広大な電車区を「探検」(上)

0101jrb.jpg 京都府福知山市は「鉄道のまち」と呼ばれている。福知山の鉄道の歴史は、1899年(明治32年)に日本国有鉄道の前身で民営の阪鶴鉄道が大阪−福知山南口(後に廃止)に開通させて始まった。それから今年で120年。安全輸送を支える広大な福知山電車区を訪ねた。

 福知山には全国27エリアの一つとして福知山鉄道管理局(現在はJR西日本福知山支社)が置かれ、鉄道の要衝として発展した。時代の変遷で、走る列車はSLからディーゼル機関車、ディーゼルカーへと移り変わり、86年11月からは福知山線の尼崎−福知山間と山陰線の福知山−城崎(現・城崎温泉)間が電化し、電車が走り始めた。同時に福知山駅から離れた半田地区に福知山電車区(当初・福知山電車基地)が完成し、運用を始めた。

 2005年に、南北市街地一体化を目的とした福知山駅付近連続立体交差事業(1996年−2010年)で、福知山駅が高架化され、新しい街の顔になった。これに合わせて、構内にあった車両基地・旧福知山機関区(旧福知山運転所)内の施設が次々に取り壊されて、福知山駅南口公園に生まれ変わった。
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 福知山駅は山陰線、福知山線、それに京都丹後鉄道が接続するターミナル駅。「車両基地が姿を消した」と思う人も少なくないが、福知山駅から約2キロ離れた半田地区の高台に大規模な施設が存在する。福知山駅から出発した回送列車は、山陰線を鳥取方面にしばらく走ったあと専用線に入って国道9号をまたぐ高架を横切り、トンネルをくぐって入区する。

 普段は関係者しか入れず、知る人が少ない施設。ここに入ることができる機会は列車事故対応合同訓練などの取材時の年1回程度。留置線に並ぶ多くの電車の姿は壮観で、訪れるたびに見入ってしまう。

 福知山支社に取材を打診して快く受けてもらった。当日は電車区の正門を入り、敷地内に展示されている大きなD51の第1動輪を横目に見ながら事務所に到着。電車区長の鶴岡誠治さん(46)と副区長の森本一昌さん(58)の2人に同行してもらい、質問に答えていただけることに。ここで働く人たちと同じようにヘルメットとセーフティーベストを着用し“探検”に出発した。

■東京ドーム5個分の大規模施設 留置線に139両を配備■

 81年5月に起工式が行われ、約5年後の86年10月に完成した施設。歩くととにかく広いという印象が残る。広さは22万3千平方メートル、長さは約1・2キロ。最大幅は約130メートルある。東京ドーム5個分近くになる。山を切り開いて造成されたが、半田の修斉小学校前を通る国道429号からは一目で分かる。景観に配慮して、法面などには当初約1千本のソメイヨシノが植樹された。現在は約900本だが、春は一面ピンク色に染まり、そばで花見をしたい気分になる。
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 最初に向かったのは多くの電車が一日の運行を終えて夜間滞在などをする留置線。全部で18線が並行しており、一番長い線だと7両編成の電車を2本置くことができるという。

 配備されているのは特急形電車、普通形電車など139両で、車両に「福フチ(電車)」と表記されている。各地を行き来するため、すべてがそろうことはないが、始発前と営業を終えた夜に一番多く並び、他の電車区の車両も入区するという。

 電車利用時はプラットホームから乗車するため、あまり大きさを感じない。線路横で間近に眺めると台車や床下に付いた多くの機器が目に入り、迫力がある。特急形電車の先頭車の場合、全高約4メートル、全幅約3メートル、全長約20メートルあるそうだ。


写真=留置線は全部で18線ある
写真=雪のなか夜間滞在する113系と223系電車(JR福知山支社撮影)

福知山に鉄道開通120年 広大な電車区を「探検」(下)

交番検査 京都府福知山市は「鉄道のまち」と呼ばれている。福知山の鉄道の歴史は、1899年(明治32年)に日本国有鉄道の前身で民営の阪鶴鉄道が大阪−福知山南口(後に廃止)に開通させて始まった。それから今年で120年。安全輸送を支える広大な福知山電車区を訪ねた。

■電車の隅々まで入念に調べる■

 JR福知山支社の鶴岡さんと森本さんの2人に、電車区内に出入りする電車のダイヤを入念に調べて案内してもらった。

 区内の線路を横断する場合、それぞれ手前でいったん止まって、「右よし、左よし」と「指差喚呼」を忘れない。安全確認などの目的で指を差し、必ず声も出す。留置線の何本もの線路を横断したあと、車両検査修繕施設を設けた区域に着いた。

 車両検査修繕施設は仕業庫、交検庫、検修庫、事務所、転削庫などが並び、留置線とともに大きなスペースを占める。ここで働く人はグループ会社員も合わせて約100人。電車の安全運行のための検査や掃除をするところだ。
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 仕業庫では仕業検査を主にする。10日以内に1回実施。車外からパンタグラフや台車、ブレーキなどを点検し、さらに、ブレーキをかけるために車輪そばに付いた部品やパンタグラフの一番上に付いた架線に接するスリ板、室内蛍光灯などの消耗品の交換をする。

 交検庫では、交番検査を90日以内に1回実施。車両の各機器のカバーなどを外して、内部の状態や動作確認までする。さらに、車輪がレールに接する部分を見て、基準以上の凹凸がある場合は乗り心地などに影響するため、新転削庫内の在姿車輪旋盤という機械で、正規の状態に削って滑らかにする。車輪は10回ほど削ると、新品に交換するという。
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 検修庫では、車両を引き込んで車輪、クーラー、パンタグラフなど大型機器を臨時で修繕し、必要に応じて交換をする。

 このほか、自動車でいう車検のような詳しい検査の重要部検査と全般検査があるが、機器の分解検査や修繕のため、専用設備が必要。福知山電車区内にはなく、大阪の吹田総合車両所まで電車を回送で走らせて実施する。

 清潔で快適な車両にと清掃は欠かせない。折り返しごとの掃除や数日ごとの日常掃除のほか、線路に設置された洗浄装置で車両の汚れを洗い落とすこともある。1、2カ月に1度は、車両の隅々まで徹底して汚れを取り除く。

■不具合検知する状態監視装置■
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 電車区入り口に昨夏、「車両状態監視装置」が設置された。線路などに設置した高解像度カメラやセンサーで、通過する電車の不具合を自動検知する。今までの作業員による検査が装置化されることで、安全性の向上や省力化が図られ、さらに測定頻度が増えることで不具合の未然防止や乗り心地の改善につながる。

 現在は試験段階で、今後、データを蓄積して装置の精度について分析を進めたうえで運用されるという。

 05年春の福知山線尼崎脱線事故の教訓を踏まえ、福知山支社では電車区内の実設訓練センターで、鉄道事故対応合同訓練を続けている。昨年までに12回実施した。このほかにも訓練がある。


写真=交番検査中の113系電車
写真=パンタグラフの検査
写真=車輪に凹凸がないかなどを点検
写真=電車の不具合を検知する車両状態監視装置


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