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両丹日日新聞2019年1月 1日のニュース

ミワウリ名コンビ今も 福知山市動物園(下)

ミワウリコンビ  その後、ミワだけは園内散歩を続け、ミニブタに乗ったり、シロテテナガザルの福ちゃんらにくっついたりしていた。夜はウリボウのいるおりで、これまで通り寝た。

 次第にミワの昼間の行動範囲が広まってきたことから、12年春に、散歩をやめ、完全におりの中の生活になると、ウリボウとさらに強い絆を結ぶようになった。

 2匹のおりは、園の出入り口近くに設置。四六時中一緒に生活するようになって、初めのころはミワがウリボウの背中によく乗り、一心同体の姿を見せていた。

 ウリボウは性格がおとなしく、おりの中でゆっくりと歩き回るなど、のんびりと暮らしている。人にも慣れていて、来園者を見つけると、えさがもらえると思い、近付いてくる。

 また水浴びが好きで、飼育員がホースで水を体にかけてやると大喜びで、地面にたまった水たまりに寝そべり、気持ち良さそうに体をこする。
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 ミワはおりの中に入ると、最初は不安そうで、ウリボウにくっついてばかりいたが、そのうち中の生活にも慣れ、歩き回れるスペースを覚え、興味津々で、外の世界を観察するようになった。来園者と目が合うと、威嚇するような行動を見せるなど、「やんちゃ」ぶりも発揮していった。

 食事の時間は一日2回で、おりの中の2カ所にえさを置く。2匹はそれぞれ分かれて食べるが、ミワはえさの中で特に果物が大好き。自分の分を食べたあと、ウリボウの分まで奪いに来る。ミワが略奪している間、ウリボウはえさの場所から離れて遠慮しているという。

 ロデオ姿もウリボウにしがみつくようにしていたのが、3年前からは背中の上に座り、「お山の大将」の気分で、おりの中で主導権を握っている。

■根強い人気 遠方から通う人たちも■

 昔からのファンで、今でもリピーターとして2匹に会いに来る人たちが多く、成長ぶりを見守り続けている。

 滋賀県大津市の清水隆司さん(44)は、8年前から妻・博美さん(44)とともに市動物園に通う。「最初のころはウリボウのほうが強かったですが、現在は立場が変わりミワのほうが幅をきかせています。2匹は今でもかわいく、今のまま仲良く暮らしてほしい。これからもずっと見守りたい」と話している。

 2匹の年齢は、人間でいうとウリボウが40歳くらいで、ミワは20歳代前半という。飼育の状態だとイノシシは15~20年、ニホンザルは30年ほど生きるとされる。

 二本松園長は「2匹とも人間が手をかけて育てているため、人を恐れなくなってしまい、ごちそうにも慣れてしまったので、野生では絶対に生きてはいけません」という。

 「2匹は互いに空気みたいな存在と感じ、違和感なく暮らしているようです。これからも長く元気で仲良く生活していってほしい」と願っている。


写真=大きくなったウリボウ。ミワと一緒にえさを食べる(18年11月)
写真=子どものころのウリボウ。体に縦模様の体毛が目立つ(10年7月・市動物園撮影)

    

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