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両丹日日新聞2018年12月26日のニュース

丹後和紙に絹糸漉いてお札に 「蚕の宮」へ奉納

お札を奉納する田中さん 正月の初詣を前に、京都府福知山市大江町二俣で京都府無形文化財「丹後二俣紙(丹後和紙)」を手漉きしている田中製紙工業所が、絹糸を漉き込んだお札を作り、養蚕の神様を祭る神社に奉納した。

 納めたのは兵庫県丹波市青垣町東芦田の高座神社(梅只敏幸宮司)。境内に蚕の神様・馬鳴(めみょう・ばなり)神社があり「蚕の宮」とも呼ばれている。梅只宮司が旧知の田中製紙、田中敏弘さんに依頼して実現した。

 和紙を漉くには簾桁を大きく動かして、コウゾなどの液を均一にならしていくが、ここに糸をまくと、どうしても糸が偏ってしまう。それをまんべんなく散らす工夫が難しかったという。和紙の厚さ、糸の太さも試行錯誤を繰り返した。

 出来上がった和紙は、生成り(無着色)と浅葱(薄い青)、黄、ピンクの4色。短冊にして、江戸時代から伝わる木版で神社が1枚ずつ丁寧に刷り上げ、お札に仕上げた。

 お札の清祓いと入魂式がこのほど境内で営まれ、兵庫県神社庁丹波市支部総代会会長の小寺昌樹さんらが参列して奉納を見守った。

 田中さんは製作の苦労を振り返りながら、シルクパウダーを加えて表面にツルツル感を持たせたことなどを披露。梅只宮司は「光にすかすと絹糸がキラキラして美しい。新春にふさわしいものにしてもらえました」と喜んでいた。

 高座神社は福知山市の市街地からだと豊富用水のある穴裏峠を越えてすぐ。初もうでの受け付けは元日午前0時から2時までと、午前8時から午後4時まで。絹糸入りのお札は限定100枚。福知山市内の家具工房が作った、長さ1・37メートルで通常の4、5倍もあるおみくじを引くこともできる。


写真=青垣・高座神社に絹糸を漉き込んだお札を奉納する田中さん(右)

    

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