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両丹日日新聞2018年12月13日のニュース

スマホで賽銭、御朱印送信 海眼寺でQRコード決済導入

QRコードを貼った賽銭箱 仏教と接する機会の少ない若い人たちにも寺院に関心を持ってもらうきっかけにと、京都府福知山市寺町の臨済宗海眼寺(芝原三裕住職)が、全国の寺院に先駆け、賽銭にQRコード決済サービスを導入し、ネットで話題を集めている。

 電子マネーの一つで、スマートホンでQRコードを読み込み、1円単位で支払いができる仕組み。小銭を数える必要が無く、簡単に素早く支払いできることから、若い人たちを中心に利用者が増加。複数の事業者がサービスを提供し、来年の消費税増税を控えてのニュースでも、主要キーワードになっている。

 海外では現金より、クレジットカードや電子マネーなどの電子決済が主流で、特に中国では店舗に限らずいろんな場所で利用されていて、人びとが現金を持ち歩かなくなっているという。賽銭も電子決済が当たり前になっていて、ネットで参拝することが一般化し「クラウド参拝」と呼ばれているともいう。

 芝原住職(38)は、日ごろからSNSのツイッターなどを使ってネットで積極的に情報を発信、収集しており、QRコード決済についても早くから関心を寄せ、複数の事業者に登録を申請した。しかし「寺院の利用は前例がない」ことから次々と断られ、登録できたのは10月にサービスを開始した1社だけだった。

 さっそく境内の賽銭箱にQRコードを貼って、ツイッターで紹介。おもしろい試みだとして情報が拡散され、直接参拝に訪れた人だけでなく、ツイッターに載せたQRコードを読み込んで賽銭を納める人たちが続出した。

 これまでに寄せられた賽銭は「今までと比べものにならないほどの急増ぶり」。それでも総額は数千円だが、「せっかく関心を持って下さった方とのご縁を大事にしたい。寺院への親しみを持ち続けてほしい」と、賽銭をして申し出た人全員に、御朱印を1枚ずつ丁寧に書いて写真に撮り、ネットで送信している。

 スマホゲームのポケモンGOが始まった時には、ゲームをする人に充電器を提供するなど、積極的に受け入れて話題になった。いまもベンチを置いてゲームを楽しむ人たちのよりどころになっている。「ゲームにしても、電子決済にしても、歴史ある寺が何をしている、とお叱りの声もあることでしょう。それでも、新しいことを受け入れつつ、ご縁の無かった方に、寺というものを身近に感じてもらいたいのです」と芝原住職は話す。


写真=決済用QRコードを貼った賽銭箱と芝原住職

    

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