京都府福知山市雲原の住民らでつくる「雲原砂防イベント実行委員会」(清水順次委員長)が、今年度の国土交通大臣表彰手づくり郷土賞に選ばれた。ドラム缶転がしタイムレースなど独創性高い地域づくりで元気を発信し、イベントをきっかけに地区外からの運営参加や移住に結び付いた交流の広がりも評価された。
雲原地区は福知山市北部の山間地に位置し、約110世帯240人が暮らす。高齢化率が5割を超える少子高齢化の課題を抱えている。
実行委は、日本の砂防の先駆け、雲原砂防施設群が06年に国の登録記念物第1号となったことを契機に地区内で機運を高め、07年4月に発足。世界初とうたい、母なる雲原川で行うドラム缶転がしタイムレース▽住民が案内役になり砂防施設や史跡を巡る地域探訪ツアー▽交流拠点・みんなの水車広場づくりなど、特色あふれる地域おこしを展開する。
主催する住民が楽しむ様子は、いつしかイベント参加者にも波及していった。
実行委の構成メンバーは、住民や各種団体代表者らで現在30人ほど。これとは別に、地区外の雲原ファン、通称「雲原ファミリー」が20人ほどいて、イベントの企画運営にも携わり、中核を担う人も現れている。若い3世帯の移住にもつながった。
実行委メンバーたちは「雲原ファミリーがいてくれるから自分たちも頑張れる。すごく刺激になっている」と喜ぶ。
地区はかつて小中一貫校計画が持ち上がったが市の方針転換で頓挫し、今は北陵中学校が閉校、公誠小学校は休校中だ。小学校の再開という目標に向かって、雲原砂防イベント実行委は歩みを進める。
清水委員長は「受賞と聞いてびっくりしましたが、今までの取り組みの積み重ねを認めていただけたのかなという気持ちでうれしいです。子どもたちの声が地区内に再び響くその日まで、頑張りたい」と話す。
受賞記念発表会が16日に東京国際交流館であり、受賞全国23件の中からグランプリが選出される。
写真=毎年にぎわうドラム缶転がしタイムレース
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