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両丹日日新聞2018年9月25日のニュース

評伝:福知山の偉人に光あてた山口正世司さん

熱弁を振るう山口さん 郷土史の研究に打ち込み、福知山が多くの偉人を生み出してきた地だと市民に紹介してきた福知山史談会前会長の山口正世司さんが、22日午後6時29分、市内の病院で亡くなった。86歳だった。近年は明智光秀の研究に情熱を注ぎ、逆賊のイメージを覆す史料を掘り起こしたりしながら、NHK大河ドラマ誘致の大きな力になっていた。

 福知山淑徳高校で教壇に立つ傍ら、ライフワークとしていた郷土史研究に励み、同高校長を退いてからは私設資料館「廿志軒」を開設して、研究成果をテーマごとに無料公開し、講座も頻繁に開いて、市民に分かりやすく郷土史を解説していった。

 中世から江戸、明治、大正と、時代を問わず古文書、冊子、絵巻物といった資料を収集。特に教育者の山口加米之助、日本に登山を広めた藤木九三、国文学者の荒木良雄、大日本茶道学会を創設した田中仙樵ら、郷土の偉人の研究に情熱を注いだ。

 共通していたのは、関係者の間では大きな尊敬を集めていながら、福知山出身だと知られていない人物。権力を振りかざすことなく、庶民のために尽くした人びと。それは山口さん自身の姿勢とも重なるものだった。

 尋ねられれば誰にでも惜しみなく知識を分け与え、時間を忘れて語り合う人だった。講演会では、事前に掲げていたテーマから逸れた内容を熱弁し、本題に入るころには残り時間が無くなっていることもしばしば。それでも聴衆が満足する不思議な人でもあった。

 近年は丹波福知山明智光秀公研究会を主宰。単なる謀反人ではなく、道義を重んじ、領民に慕われる武将だったことを、ゆかりの地への現地踏査を重ねて掘り起こしてきた。はうようにして山城に登ったり、光秀との関係が限られた地域でのみ言い伝えられてきた小さな社を訪ねたりと、探究のための労をいとわない。新たなことが分かるたび、希望者を募ってバスツアーを組んだ。

 こうした取り組みは行政や観光協会とも連携し、今春のNHK大河ドラマ誘致実現に大きな力になった。

 2月で史談会の会長を交代した後も研究への意欲は衰えず、4月の大河決定時には「これからますます忙しくなる」と、周囲の人たちと話していた。

 福知山市文化財保護審議会委員を34年務め、1996年に市教育委員会表彰、昨年には市制施行80周年記念特別表彰を受けている。

 自宅は福知山市東羽合。通夜は23日、葬儀告別式は24日に紫雲閣福知山ホールで行われた。喪主は孫の路玄(みちはる)さん。


写真=大量に収蔵する古文書の中から資料を示しながら熱弁を振るう山口さん(2015年12月16日)

    

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