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両丹日日新聞2018年7月31日のニュース

台風、豪雨で被害の丹波大文字 懸命の修復

大きく崩れた火床 京都府福知山市の夏の伝統行事として親しまれている「丹波大文字送り火」。昨年8月の実施以降、繰り返し豪雨に見舞われ、火床が被害を受けたが、丹波大文字保存会(芦田正男会長)や地元自治会による懸命の修復作業などで、なんとか今年も実施できる状態にこぎつけた。今年から保存会が主催し、福知山商工会議所などの共催となる。8月16日午後4時から市厚生会館で市仏教振興会によるご詠歌奉詠と塔婆供養が行われ、同8時から姫髪山山頂近くの「大」の字に火がともされる。

 大文字の火床は、以前は大雨が降っても大きく崩れることはなかったが、近年、鹿が草木を食い荒らすようになってから、火床一帯は地肌がむき出しになり、豪雨のたびに崩れてしまうようになっていた。

 昨年10月には台風21号による豪雨で火床が大規模に崩れた。被害拡大を防ぐためにブルーシートを敷くなどしていたが、7月豪雨では激しい雨が長く続き、火床の周囲の傾斜が急な部分で崩落が拡大した。

 だが幸いなことに、薪を運搬するために使っている簡易モノレールに被害はなかった。保存会では本部役員らが地元奥野部、新庄両自治会の協力を得て、多数の土のうと骨材を準備し、ふもとから山頂近くまでモノレールで運び上げ、まずは「大」の字の下半分の崩落個所に3段の土止めを整備。併せて排水路や側道を整えた。天気を気にしながらの急斜面での慣れない作業。体に巻き付けた命綱が頼りだった。

 その後、昨年まで共催だった福知山市仏教振興会からの申し出を受けて工事を発注、何とか最低限の修復を終えた。

 今回の台風12号も心配されたが、29日朝、保存会役員が確認したところ大きな被害は出ていなかった。

 芦田会長は「さらなる豪雨に見舞われて火床の崩落が拡大しない限り、現時点では点火できると考えています。古里の夏を彩る火を、人々の心に残る送り火を、今年もともしたい」と話している。


写真=昨年の台風で大きく崩れた火床(丹波大文字保存会提供) 

    

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