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両丹日日新聞2018年6月26日のニュース

暴力事件経て「ルール」の大切さ説く 成美野球部監督

井本さんが学童チームの母親らに話した 京都府福知山市内の学童野球チームに所属する児童の母親らを対象にした「お母さんの野球教室」がこのほど三段池公園内の市武道館であった。福知山成美高校硬式野球部監督の井本自宣さんが講演し、自身の野球人生を振り返りながら「目標に向かう意思」「規律を守り、おごらず、周囲に感謝すること」の大切さについて語った。

 福知山市野球協会(福間誠一会長)が主催して、73人が受講した。

 母親らに配った資料に記された日付は「平成22年4月」。当時は春の選抜出場など成美高の強さが際立っていた。そして、部内の暴力事件で半年間の対外試合が禁止され、夏の甲子園への道が閉ざされた時期でもある。

 井本さんは野球部のコーチ兼部長だった。「野球を教えてきたけれど、自分は今まで何をしてきたんだろう。人生で一番悩んだ時期でした」と話し、自身の野球人生を振り返ることから始めたという。

 父親と朝の練習を重ね、目標だった全福知山大会で優勝した小学生時代。天狗になって野球がおろそかになり、レギュラーを外された中学生時代。再び情熱を取り戻した高校生時代。そして、恩師の前成美高監督・田所孝二さんと出会った大学生時代へとつながる。

 大学の教育実習で母校を訪ね、練習に参加して「田所さんの指導に目からうろこが落ちた」。「『投手はアウトコース低めに投げてくる。そこを打つ。その練習をするんや』という指導で、まったくその通り。打ち方のフォームとか素振りの数を気にしていたことが恥ずかしくなった」と語る。

 正式にコーチになった時は「指導者というより、チームのキャプテンの気持ち」と、部員たちと一緒に成長することを誓った。

 1999年に初めて甲子園に出場した。部員は軟式野球出身者ばかりで、技術的に突出した選手はいなかったという。でも「優しい子が多かった」と目を細める。

 ずっと野球部を応援していた自身の父が亡くなった時に、部員たちが甲子園のウイニングボールを仏壇に供えてくれた。結婚式でもサプライズで現れて涙した。

 和らいだ表情が真剣になり、重い口が開く。年月が流れ、成美高が府内でも屈指の学校といわれるようになっていた2010年(平成22年)に不祥事が起きた。再起への気持ちを込めて作った部訓には「規律、謙虚、感謝」の3文字が並んでいる。

 「野球だけでなく、物事は何でも最初はルールを学ぶことから始める。ルールを守ることが大切なんです。その必要性を教えていなかった」と反省し、高校1年生に「規律」を求め、慣れてきた2年生にはおごらない「謙虚」を促し、成長した3年生には「もちろん自分のために勝ちたい。でも、最後の夏くらい周囲にも感謝して、やろうよ」と語りかける。

 「目標に向かって進むこと。規律、謙虚、感謝も社会に出ても一緒じゃないですか」。今も毎月必ず子どもたちと部訓を暗唱しており、野球を通じて心・技・体を育てられる指導者が目標−と締めくくった。


写真=成美高校野球部監督の井本さんが学童チームの母親らに話した

    

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