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両丹日日新聞2018年6月 4日のニュース

漆文化守る若い力 研修生加わり初鎌

漆の初鎌 貴重な国産漆を採取する漆(うるし)掻(か)きの季節が始まった。京都府無形文化財「丹波の漆掻き」を守り伝えているNPO法人丹波漆が4日午前8時30分ごろから、福知山市夜久野町板生の山中で若い研修生を迎えて「初鎌」を行い、山に感謝しつつ、今年最初の刃物を漆の木にあてた。

 今季採取するのは12年前に植栽した木のうち12本。大きなものは胸高の幹回りが60センチほどに育っている。岡本嘉明理事長(71)が木の脈を見立てて印を付け、若い漆掻き職人たちに「ここから順に掻いていこう」と指導。専用の鎌で表皮を削り、同じく専用のかんなで小さなキズを入れた。4日ごとにキズを増やしていき、9月末まで採取をする。

 1本の木から採れる漆は通常で牛乳瓶1本(200㏄)ほどといわれ、丁寧で根気のいる作業が夏の間中続く。採算性は悪く、かつては全国有数の産地だった夜久野でも戦後に一度は途絶えてしまった。

 それでも文化として守っていこうと、今はNPOで漆の木の植栽と後継者育成に力を入れていて、若い職人たちが育ってきている。竹内耕祐さん(29)ら若手2人が戦力として活躍しているほか、今年は研修生が1人加わった。京都伝統工芸大学校を卒業したばかりの松橋遼介さん(20)。在学中から夜久野の漆植栽作業に参加していたが、実際に漆掻きを体験するのは、これが初めて。「わくわくすると同時に、とても緊張します」と話し、岡本さんの手元に見入っていた。


写真=研修生が増え4人で漆の初鎌をした(4日午前8時40分ごろ、夜久野町板生の山中で)

    

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