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両丹日日新聞2018年5月 5日のニュース

小さな集落の小さな支援 独居者の手伝い活動1年

藤田洋嗣さん藤田輝雄さん今川渉さん  「小さな地域の小さな支援」を合言葉に、京都府福知山市三和町菟原下一に住む藤田洋嗣さん(74)、藤田輝雄さん(75)、今川渉さん(67)の3人が、地域住民の生活を守る活動に取り組んでいる。地域の高齢者を対象にした買い物代行、有機肥料の提供、草刈りの手伝いなどをボランティアで昨年4月から続け、1年が経った。

 地域福祉への関心をもった洋嗣さんが、市社会福祉協議会が取り組む「ささえあいパートナー事業」の講座を2016年に受講。家の中の電球の交換など、日常生活の細かなところで不便を感じる人がいることを学び、地域でそうした人を助けられないかと考えた。

 そこで、すでに地域で有機肥料の提供などをしていた今川さんと輝雄さんに声をかけ、17年3月に「菟原下一ささえあい活動実行委員会」を組織。独自の取り組みとして、地域住民に知らせ、支援を始めた。

 活動内容は3人で検討。対象は地域内で一人暮らしをする免許証を持たない高齢者とし、内容は、長期保存ができる日用品の買い物代行▽30分以内に終わる軽作業▽牛ふん、鶏ふんなどの肥料の提供▽訪問時の声掛けとした。

 自治会に所属する88軒のうち13軒が対象となり、毎月1日と16日に希望する手助けを選んで記入してもらうアンケートを実施。翌日にメンバーが回収し、原則として1週間以内に手助けをしたり、日用品を届けてレシートと代金を交換したりする。

 1年間で136件の活動に取り組んだ。このうち有機肥料の提供は全体の4割近い51件で人気だった。日用品、食料品の買い出しも合わせて41件で全体の3割となった。

 利用者の女性(88)は「ありがたく、もったいないくらいの取り組みです。3人とも優しい人で、顔を合わせると話をして楽しんでいます」と話す。

 病気で車の運転ができないという男性(69)は「自分の思ったものを思った値段で購入できるところがうれしいです。助けてもらっています」と喜ぶ。

 また、肥料をもらった高齢者が畑仕事を続けることで、近隣との交流も生まれているという。

 3人は今後、利用者が栽培した野菜を、町内の野菜市へ出荷する取り組みも考えているという。「メンバーが菟原下一内の3地域にそれぞれ住んでいるので、散歩のついでなどにアンケートを回収しています。無理をしないことで活動を続けられていると思います」と話す。

 代表の洋嗣さんは「小さい活動ですが、どこでもできるものだと思います。こうした活動が広がればいいですね」と取り組みに熱意を見せている。


写真=利用者に肥料を届ける輝雄さん、洋嗣さん、今川さん(右から) 

    

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