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両丹日日新聞2018年3月25日のニュース

青い目の人形 福知山、島原、幸田で縁組構想

福知山市に残る青い目の人形 姉妹都市提携を結ぶ福知山市と長崎県島原市には、ともに1927年に米国から友好の証しにと贈られた通称「青い目の人形」が残されている。また、愛知県幸田町にもこの人形があり、これらを「3姉妹」とし、交流を深める構想を島原市が練っている。姉妹都市提携35周年を迎え、古川隆三郎市長は「呼びかけはこれから。3市町の新たな縁として検討したい」としている。

 「青い目の人形」は、アメリカで排日感情が高まるなか、宣教師で親日家のシドニー・ギューリック氏が、親善の思いを込めて、約1万2700体を日本の幼稚園や小学校に贈った。

 しかし、両国は次第に険悪な関係となっていき、1941年に太平洋戦争へと突入。敵国の人形として、ほとんどが焼かれたり壊されたりして、現在は全国に約320体しか残っていないという。
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 福知山と島原の両市は、江戸時代初期に福知山城主の松平忠房が「島原の乱」後の荒廃した肥前島原藩に国替えとなり、多くの住民を引き連れ移り住み、善政を敷いた歴史的な縁をきっかけに交流が始まり、1983年に姉妹都市の提携を結んだ。

 それから5年おきに、友好親善訪問団を結成し、交互に両市への旅を実施。島原市で1990年に雲仙普賢岳が噴火した際には、福知山市民が義援金を寄せたり、災害ボランティアに参加したりした。

 また2014年の8月豪雨災害時には、甚大な被害を受けた福知山市に義援金が寄せられ、島原市民が多数駆けつけ、家屋の泥のかき出し作業に汗を流すなど、いまも温かい交流が続いている。

 幸田町は松平忠房の出身地で、同じく歴史的なつながりがある。島原市の民間団体が昨年2月、島原市の「リトル・メリー」、幸田町の「グレース・エッサ」の人形2体を、姉妹と位置付ける友好交流事業を実施。島原・幸田間で姉妹都市提携への機運が高まり、昨年10月に姉妹都市になった。

 その後、古川市長は福知山市にも人形があることを知り、昨年11月の福知山市制施行80周年式典に出席するため訪れた際、新町文化センターに保管されている人形「ヘレン・ウッド」を見学。3姉妹構想を思いついたという。

 古川市長は「それぞれに青い目の人形が残されていたことに特別な縁を感じます。3姉妹にすることで、平和のメッセージをより広く発信でき、大変意義深い。3市町が相互に発展し、交流を深めるうえで、良いきっかけになると考えています」と話す。

 福知山市の大橋一夫市長も「今年は姉妹都市提携35周年の記念すべき年。まだ島原市長から具体的な提案はお聞きしていないが、青い目の人形を通しても、さらなる絆を深めていきたい」と古川市長の考えを歓迎している。


写真=福知山市に残る青い目の人形「ヘレン・ウッド」
写真=島原市のリトル・メリー(右)と幸田町のグレース・エッサ(島原親善人形の会提供)

    

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