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両丹日日新聞2018年3月 6日のニュース

戦地から日章旗 遺族会が持ち主探す

 福知山市の文字が入り、寄せ書きされた日章旗が5日、米国人の男性から京都府福知山市の市遺族会(芦田則男会長)に返還された。第二次世界大戦中に従軍した父から受け継いだというチャーリー・トルヒーリョさん(68)=カリフォルニア州=が訪れ、篠尾新町のサンプラザ万助で手渡した。市遺族会は、元の所有者を探しており、情報提供を呼びかけている。

 この日章旗は、日の丸と「祈皇軍武運長久」「福知山市」の文字が印刷された手ぬぐい風のもの。チャーリーさんによると、父のレイマンさんが1945年にニューギニアで日本兵と交戦した時、拾って持ち帰っていたという。

 チャーリーさんは子どもの頃に、父から旗のことや戦争の悲惨さを聞いて育ったといい、「自分も従軍の経験があり、平和を願う思いは強いです。旗の返還は父を亡くした2003年ごろから考え始めました」と話す。

 返還への活動を始めたチャーリーさんは、5年ほど前、カリフォルニア州在住の日本人男性と知り合い、旗を見てもらった。この男性は「福知山市」と書いてあったことから、福知山出身の日本兵が戦地に持って来ていたものと考え、チャーリーさんに代わって市へ連絡した。

 市からチャーリーさんの思いを聞いた遺族会は、元の所有者の関係者を探すなどをしてきたが見つからず、市の代表として返還式を開催。西村仁一副会長が旗を受け取った。

 手渡したあと、チャーリーさんは「福知山から出た旗が、またこの地に帰って良かったと思います。旗を返せてほっとしました」と話した。

 西村副会長は「持ち主や関係者が分かれば、その方に返したい」と話す。旗は縦約23センチ、横約64センチ。

 寄せ書きは不明瞭だが、右から順に「糸井」「久代有吉」「中川」「内幸太郎」「志賀達男」「山内」「和田伍長」「福井」「桐村□(一文字不明)太郎」「井川伍長」「藤田上ト兵」などの文字が読み取れる。「戦勝」「発揚」「必勝」といった文字も添えられている。

 旗は市遺族会で保存し、持ち主の関係者が分かれば返す予定。問い合わせは市遺族会の安達文彦さん、電話0773(36)0250へ。


写真=旗を見つめるチャーリーさん(左)と遺族会のメンバー

    

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