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両丹日日新聞2018年2月 9日のニュース

市民と従業員でグンゼ創業者の人生描く劇

市民と従業員による芝居の稽古 京都府綾部市、福知山市一帯を「蚕都」と呼ばれるほど養蚕の盛んな地域に盛り立てた、グンゼ創業者波多野鶴吉の生誕160年、没後100年記念行事が2月中に、綾部市内でさまざまに取り組まれている。17日には、市民とグンゼ従業員による劇「波多野鶴吉物語」が上演される。

■波多野鶴吉生誕160年・没後100年記念■

 鶴吉は1858年(安政5年)2月13日に現在の綾部市延町で生まれ、グンゼ(郡是)を興して日本を代表する企業に育て、1918年(大正7年)2月23日に亡くなった。

 8歳で波多野家へ養子に入り、18歳で波多野家の娘はなと結婚。青年時代は京都で放蕩を続け、事業に手を出しては失敗を重ねる。養家の財産を使い果たして、失意のうちに郷里へ戻った。

 綾部では小学校の教員となり、養蚕農家の子たちの困窮ぶりに接するうち、地域のためにと何鹿郡蚕糸業組合長に就き、1896年(明治29年)に郡是製糸を設立。全国品評会で粗悪品として酷評された京都府産生糸の品質向上に取り組み、1900年のパリ万博で金牌を受賞するまでになった。

 品質向上のために新しい技術の吸収や優れた品種の採用なども行ったが、一番力を入れたのは人材教育。「善い人が良い糸をつくる」との信条のもと、工女、職工、幹部まで平等の社員教育を行い、「あそこは表は工場だが、裏は学校だ」とうわさされたほどだった。

 従業員に求めた修養は鶴吉自身も率先。晩年も夫妻は工場の長屋に住み、もんぺ姿の鶴吉が竹ぼうきで通路を掃いて、はながその後ろを、手おけで水をまいて歩く姿がよくみられたという。

■遺品や資料を展示、ゆかりの地散策も■

 17日に上演する劇では、市民と従業員計約20人で鶴吉の少年時代からの人生を描く。会場は綾部市青野町のグンゼ記念館。午前の部が10時30分から、午後の部が1時30分からで上演時間は約40分。無料。

 21日から26日まではグンゼ博物苑集蔵で、遺品や未公開写真などで鶴吉の人生とグンゼの歴史を紹介する「郡是展」が開かれる。会期中の22、23、24日には同博物苑道光庵で午前11時からと午後2時から、紙芝居「つるとはな」が上演される。また25日には、グンゼ博物苑に集合して博物苑職員の案内で歩く「ぶらり散策・鶴吉ゆかりの地めぐり」がある。午前9時から午後0時30分ごろまでの予定。ゴール後は「はなちゃんすいとん」を用意。いずれも無料だが、ぶらり散策のみ20日までに申し込みがいる。いずれも問い合わせは電話0773(42)3181、グンゼ博物苑。


写真=17日の本番に向け市民と従業員による芝居の稽古に熱が入る

    

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