京都府福知山市は22日、総額896億2500万円（100万円未満切り捨てで表記、以下同）の17年度当初予算案を発表した。前年度当初比1・8％増となる。一般会計はごみ焼却施設改良、学校の耐震化といった大規模な事業が完了したほか、全事業を見直す棚卸しなどに着手し、歳入に見合った規模を追求。前年度当初から17億7千万円（4・3％）減の394億8千万円とした。しかし、企業会計が同14％増と膨れた関係で、総額は1市3町合併後の最高額になった。予算案は、条例案などとともに、24日開会の市議会3月定例会に上程する。

　昨年6月に就任し、初めての当初予算編成となった大橋一夫市長は「財政状況が厳しさを増すなかで、既存事業の見直しを進め、緊縮型の予算を組んだ。新年度も、経営力のある市政運営を進める」とした。

　このため一般会計では、132事業を対象にした今年度の棚卸し結果を踏まえて、中小企業サポートセンター、市民アイデア買い取りといった15事業を廃止、22事業を他の事業に統合するなどして、1億2700万円を削減。全体でも85事業を廃止し、4年ぶりに400億円を切るコンパクトな予算とした。

　一方で、「元気の出るまちづくりは必要」とし、市長公約でもある観光地域づくりセンター（仮称）、市産業支援センター（仮称）を置き、観光産業の活性化と中小企業への支援を強化する。支援センターは、福知山公立大学に置く予定。

　ほかの公約関連では、肉を新たな観光コンテンツに位置付け、資源の再発見や関連イベントをする「肉のまち福知山事業」に120万円▽市に愛着を抱く人らに応援、宣伝をしてもらう「ふるさと市民制度推進事業」44万円などを計上した。


写真＝中小企業を支える仮称・産業支援センターが置かれるなど活用が進む福知山公立大学