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両丹日日新聞2017年2月 7日のニュース

戦中の普通の人描きたかった−「この世界の片隅に」原作者

片渕監督、こうのさん 京都府福知山市在住、こうの史代さんの漫画「この世界の片隅に」をアニメ化した同名の映画が、地元福知山市広小路通りの福知山シネマで上映されている。初日には、上映に続いて、こうのさんと映画の片渕須直監督を招いてのトークイベント(両丹日日新聞社共催)も行われ、この漫画や映画製作にかけた思いなどを語り会い、来館者の質問にも答えた。

 この映画は、第2次世界大戦中の広島・呉が主な舞台。広島市江波で生まれたすずは18歳の時、20キロ離れた呉の周作のもとに嫁ぐ。戦下で物資が不足していく中、すずは一家の主婦として、工夫を凝らして食事を作り、着物を服に仕立て直したりする。時には好きな絵を描いて日々の暮らしを重ねていた。そんなすずの姿を通じて当時の普通の人の生活が描写されている。

 上映とトークイベントは、福知山シネマが今年8月で開設10周年を迎えるのを記念した企画のひとつ。こうのさん、片渕監督がそろって参加するトークイベントは国内でも数少なく、全国から注目を集め、1月28日のチケット先行販売には多くの人が早朝から列を作った。地元公開初日の4日の当日券も、前夜、午後8時から並ぶ厳寒の徹夜組が出るなど、高い人気となった。

 初回上映にトークイベントがセットされ、会場は満席。上映が終わると客席から大きな拍手が沸き起こった。このあとトークイベントがあり、こうのさん、片渕監督、司会役で映画館オーナーの志摩敏樹さんが登壇した。

 こうのさんは歴史や地理が苦手で、勉強してからこの作品を描いたことを振り返り、戦争中に普通の人がどんな生活をしていたかを描きたかったと思いを話した。

 片渕監督は、淡々とした当時の暮らしをどうつなげいくか、画面からは出ない香りなどをどう表現するか、平面的なアニメに、所作で立体感を出すといった工夫をしたことを話した。

 今後については、こうのさんは東日本大震災にからむことを描きたいとし、「住んでいる福知山は楽しいので、福知山の日常を描くのもいいですね」と話し、会場から大きな拍手を受けた。

 片渕監督は、自身がやりたいと思って映像にした最初の映画なので、「まずは再起動して今後やりたいことを考えたい」と話した。

 続いて来館者から、声優にのんさんを起用した背景などいろいろな質問があり、丁寧に答えた。

 こうのさんと片渕監督は記者の取材に「戦争は別世界のことではなく、地続きのことだと受け取ってもらい、友だちのすずから手紙が届いたような感覚で見ていただけたらうれしい」と思いを話した。

 「この世界の片隅に」は映画雑誌「キネマ旬報社」の昨年の年間ベスト10で日本映画の第1位に選ばれるなど高く評価されている。映画は昨年11月に上映され始め、次々と増えてこれまでに約270館で上映されているという。


写真=トークイベントで作品について語り合う片渕監督、こうのさん

    

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