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両丹日日新聞2017年1月27日のニュース

サケの卵が次々とふ化 飼育の輪240カ所に広がる

サケの卵からふ化した仔魚 由良川に回帰したサケの卵やふ化した仔魚(しぎょ)を、福知山市と近隣市町などの学校、公民館、家庭などが育てている。有志で組織する「由良川サケ環境保全実行委員会」が今月上旬に配った卵が次々にふ化しており、体長2センチ前後の仔魚が水槽の底で元気に動く。今季は前年より107カ所多い過去最多の240カ所で成長が見守られている。3月に放流する予定。

 実行委は、由良川にサケを遡上させる活動を続けている。「由良川への環境意識を高め、郷土愛を育んでもらう」狙いで希望者に飼育を依頼する。京都府知事の特別許可を得て、由良川水系でサケを捕獲し、牧川養殖漁業生産組合(衣川務組合長)が採卵と人工授精をし、新潟県から取り寄せた卵と合わせた約5万粒を確保している。
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 牧川沿いにある夜久野町額田の夜久野地域公民館(夜久野ふれあいプラザ内)は、一昨年から活動に加わった。卵や生まれたての仔魚は振動や直射日光による刺激を嫌うため、気温が低いプラザの玄関口に水槽を置き、プラザを管理する衣川幹彦さんが、水槽にぴったり合った段ボールの覆いを作ってかぶせている。

 水温計と底部の観察ができるよう、ふた付きの小窓を設けており、毎朝、公民館職員らが成長記録を付ける。6日に100個の卵を入れて水温7度前後で管理し、積算温度が440度になった18日からふ化を始めた。24日までに99匹のふ化を確認できた。

 今は、腹に栄養分を持つ「さいのう」と呼ぶ袋をつけた透き通った仔魚が、水槽底の白い石の上に群がっている。袋がなくなり、スマートな体形となって泳ぎ始めるとエサを与え始めるという。

 公民館では、3月中旬に近くの牧川で町内の保育園児と一緒に体長5センチほどに育った稚魚を放流する予定。「毎朝、水槽を観察するのが楽しみ。ふ化するときに卵から頭やしっぽが出る様子には感動しました。大きくなって夜久野まで遡上してほしい」と話していた。

 実行委によると、今季に飼育箇所が一気に増えたのは、自動車販売会社が、卵付きのサケの稚魚飼育セットのプレゼント企画を実施したのが要因で、京都市の京都水族館も参加している。


写真上=ふ化したばかりの仔魚
写真下=水槽内の水温を確認する衣川幹彦さん

    

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