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両丹日日新聞2017年1月 5日のニュース

手芸で生きいき 障害持つ男女16人

手芸部の作品 京都府福知山市下荒河、NPO法人つむぎあい福知山の日中一時支援事業を利用する障害者たちが、手芸部を結成して編み物や刺し子作品をつくっている。「障害者がつくったからではなく、クオリティーで勝負したい」と声をそろえる。

 ことの始まりは、法人に届いた大量の毛糸や余り布を見て、編み物が得意な利用者の須知さん(83)が手芸品を作り出したこと。すると、他の利用者が「私もやってみたい」と集まりだした。それならば日中活動の中核にと、昨年1月に手芸部を立ち上げた。

 部員は30代から80代までの男女16人。これまでにつくったものは、ひざかけ、くつ下カバー、鍋つかみ、ぬいぐるみ、布や折り紙の小物などで約180点に上る。

 11月に市厚生会館で開かれた福知山全体の福祉の催し「ふれあい福祉フェスタ」に初参加して、手芸部の作品を展示・販売した。展示スペースを多めにし、販売は少しだけ。「たくさん並べて売れ残ったら悲しいから」という、NPO理事長の美市川鏡美さんの不安は吹き飛んだ。販売品はすぐに完売。展示品も売ってほしいという予想以上の引き合いがあり「自信になった」。

 手芸部の活動が始まってから、利用者の表情が生きいきしている。通所してきても椅子に座っているだけだった人が積極的に動き出した。

 今いい波が来ているが、現状に甘んじず、もっと収益を上げて息の長い活動にしたいという。日中一時支援の性質上、大量生産は難しく、クオリティーで勝負をかけたいと考える。みんなでアイデアを出し合い、少しずつでも「いいものを」と、一歩一歩前に進む。

 毛糸のコタツカバーなどをつくった利用者の吉田さん(35)は「(手芸が)うまくなったかな。次はぬいぐるみやかばんをやってみたい」と意気込む。

 最年長の須知さんは「家だと独りぼっちだった」と振り返る。男性用の大型シャツをリメイクしてエプロン、腕カバー、かばんのセットを完成させると、部員たちが我がことのように喜んでくれた。「若い人ともいろいろ話ができて、私も若返ります」とほほ笑んだ。


写真=つむぎあい福知山手芸部の作品

    

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