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両丹日日新聞2016年2月 2日のニュース

地域のつながり深まる「月待ち」信仰 住民集まり飲食

般若心経を唱える 「二十三日の夜、月待ちをすると願いごとがかなえられるという信仰で、『サンヤハン』と呼ばれる講である」(三和町史より)。京都府福知山市三和町菟原下自治会や草山自治会の一部の組単位で、古くから伝わるこの民間信仰が今も続いている。

■三和町菟原下と草山で「サンヤハン」■

 月待ちは月を信仰の対象とする民間信仰で、地域単位や女性のみなどで十五夜や十六夜、二十三夜など特定の月齢の夜に集まって飲食を共にし、月の出を待って拝む行事。「二十三夜講」「二十三夜待ち」「三夜講」などと呼ばれ、江戸時代に全国的に流行したと言われる。近年では生活様式の多様化や日程調整の困難さなどから、多くが行われなくなったが、一部の地域では今も残る。

 菟原下2組(12世帯)では、組集会の毎月25日夜にある。当番の家に各世帯から1人ずつ訪れ、集会前に手を洗ってから床の間に向かって座る。それから数分間、般若心経を唱えて、供えた洗米を各人に配ってそれぞれ食べる。

 藤田洋嗣さん(72)によると、「以前はサンヤハンと組集会は別の日にしていたと思います。組の人たちは何も見なくても般若心経が唱えられるようになりました。地域のつながりが深まると思います」と話していた。
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 草山自治会の2組(9世帯)では、23日に近い日の夜に組集会があり、その日に当番の家に集まる。地域で引き継いできた天照皇大神の掛け軸を神棚に飾り、その前で祝詞をあげる。唱え終わると、供えたご飯を食べるという。このあと、組集会が開かれる。

 荒木剛一さん(74)は、「子どものころは煮しめなど食事を持ち寄り、酒も出ていたと思いますが、簡素化され、草山で作られていたパンを配るようになったこともありました。近所でも普段は会わない人もおり、日時を設定して集まるのはみんなの意思疎通につながる。ずっと続けていきたい」と話している。


写真上=般若心経を唱える菟原下2組の人たち(今年1月25日撮影)
写真下=草山では天照皇大神の掛け軸を掛ける

    

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