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両丹日日新聞2015年8月 8日のニュース

花火大会事故から2年 示談成立は半数

0808hanabijiko.jpg 福知山花火大会屋台爆発炎上事故から15日で2年を迎える。昨年に続き今夏も大会の開催は見送られるが、市民からは「被害に遭われた方の心情を考えると複雑ですが、夏の風物詩として楽しみにしている大会がないのは寂しい」と再開を望む声も少なくない。しかし、主催した福知山商工会議所などで組織する実行委員会や共催の市は、再開には慎重な姿勢を見せている。

■「再開考える段階にない」と福知山商議所 被害者救済最優先■

 河川敷に出店した一つの屋台店主によるガソリン携行缶の扱いの初歩的なミスが原因で、屋台が爆発炎上し、周囲が一面火の海と化した事故。周囲の観客が巻き込まれて3人が死亡、54人が重軽傷を負った。福知山は今夏も、当時を思い出させるような酷暑が続いている。

 福知山商議所は被害者救済の立場から、被害者やその家族と示談交渉を進めている。「現在、話し合いを進めて合意を得ているのは遺族の3家族を含めて半分程度」。大会再開については「被害者救済が最優先課題。まだ考える段階ではない」という。

 昨夏は事故現場そばの堤防で、実行委員会が主催し、亡くなった3人の冥福を祈る追悼式を開いたが、今年は計画していない。福知山商議所、市仏教振興会、丹波大文字保存会が主催し、16日に市厚生会館で営まれる丹波大文字法要の中で追悼することにしている。

 献花台は堤防上に13日から21日ごろまで設ける。谷村紘一会頭も13日に献花をする予定にしている。

■市は「被害者の賛同必要」■

 一方、市は、事故当時に主催者ら関係者が出店屋台に防火指導をしていなかった点が指摘されたことを受け、市火災予防条例を一部改正した。多人数が集まる屋外イベントで、発電機などを使う露店や屋台を出す場合、消火器の準備を義務付けるなど対策を強化した。市は「再発防止策は整った」とする。

 しかし、再開については「被害者の賛同を取り付け、市民のご意見もお聞きしなければならない。開催できるか、関係機関と議論していく必要がある」とするが、「大会を市が主催することはあり得ない」と強調する。

 被害者支援は「できる限りのことはしていく」と明言している。

 15日に松山正治市長が事故現場に出向き、献花することにしている。

■「万全な防止策が前提」と被害者家族会■

 12家族、27人が加入する被害者家族会は15日、会長らが代表して献花に行く。

 花火大会再開については「市民の方の楽しみを奪おうというような気持ちはない。ただ、再開には被害者全員の賛同を得ること、万全な再発防止策を講じることが前提となる。重篤な症状の方の回復も思わしくなく、(当面は)見合わせてほしい」と胸の内を打ち明ける。


写真=事故が起きた現場付近。当時と同じように酷暑が続く

    

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