WEB両丹

きょうあったいい話、夕飯までに届けます。京都府福知山市の情報を満載した新聞社サイト

タブメニュー

両丹日日新聞2013年11月18日のニュース

台風18号災禍:生かされた避難訓練

1118hinan.jpg
 ほとんどの人たちが避難できたのを確認し、自身も避難所に向かおうと自宅の外に出た時、水はくるぶしのところまで来ていた。福知山市大江町河守新町の山田信夫自治会長(69)は、足を指差しながら話す。

 河守新町は、04年の台風23号による水害でまち全体が浸水し、住民2人が床上浸水した自宅で亡くなった。当時は避難所に行かず自宅で水が引くのを待ち続ける人もいた。

 18号水害の際は、9年前を「教訓」として、住民たちがいち早く避難した。山田自治会長によると、雨が激しく降り続いていた9月15日午後9時ごろ、区内を消防団の車が巡回。水がつきそうなので避難の準備をするよう呼びかけていたという。その後、防災無線で避難準備の情報が各戸に流れ、住民たちは高台にある避難所の美河小学校(河守中央)に向かった。山田自治会長が避難所に行こうとしたのは16日午前4時ごろだったという。

 河守新町自治会では、毎年9月に避難訓練をしており、今年も1日に実施。組長が各戸を回り避難を促す声掛けなどをした。今回の水害では、組長らの素早い行動などがあり、地区内でも低い場所に家がある住民のほとんどが、水がつく前の早い段階で避難することができた。

 一人暮らしのお年寄りに対しては、隣家の住民らが車に乗せるなどして同校まで一緒に避難する行動がとられたという。住民一人ひとりの避難に対する意識が高く、訓練の成果が現れた。

 山田自治会長宅前の道路は地区内でも一番低い場所で、自宅は2階の床上60センチまで水がついた。17日朝に避難所から戻ると、家の中は泥がいっぱいで、家財道具がひっくり返っていた。いまだに普通の生活に戻れない状態だが、「地区内で死傷者が出なくて本当によかった」。

 市危機管理室の竹下孝志次長は「市では日ごろから、地域の実情に応じた訓練をしてもらうよう呼びかけている。(河守新町自治会では)その訓練の成果が出たと思う」と評価。「避難の指示や救助を“待つ”というスタンスではなく、危ないと思ったら、早め早めの避難を心掛け、自分の命は自分で守る気持ちを持ってもらえれば」と言う。

 山田自治会長は、早い避難ができたのは、日ごろ培われた住民の絆の深さのおかげだとみており、「今後もまち中で気軽に声を掛け合える雰囲気づくりをしていきたい」と話す。 


写真=自宅前で当時の様子を思い浮かべる山田自治会長(河守新町)

    

[PR]



株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232

著作権

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。

購読申込 会社案内 携帯版 お問い合わせ