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両丹日日新聞2013年5月25日のニュース

貴重な産地と文化守りたい 夜久野の丹波漆に若手後継者

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 京都府指定無形民俗文化財となっている「丹波の漆掻(か)き」に、若い後継者が生まれた。全国でも貴重な漆産地の福知山市夜久野町に新卒移住し、漆の木の植栽から手がけ、採集技術の漆掻きを地元の人たちから学ぶ。漆掻きの知識を持つ人たちは「自分たちの年齢を考えると、技術を次の人たちに伝えるギリギリのタイミング。間に合って良かった」と、後継者誕生を喜ぶ。

■NPOが支援 植樹から採取、作品も■
 
 夜久野町に移住してきたのは城陽市出身の竹内耕祐さん(25)。富山大学芸術文化学部を今春卒業して、千原の古民家に居を構えた。
 
 高校から漆工芸を学び、作品に使う漆のことを深く知りたいとの思いから、大学在学中に何度も夜久野へ足を運んだ。NPO法人丹波漆の会員たちに指導を受けて一連の作業を体験。回を重ねるごとに漆掻きへの思いが強まり、作家活動だけでなく、漆を守り育てる取り組みに打ち込みたいと願うようになった。
 
 神社仏閣の建築、美術工芸品から庶民の日常の器まで、日本の文化と生活に欠かせない存在だった漆だが、戦後は輸入品や人工塗料に押されて衰退。産地は全国でもごくわずかになり、西日本では、ほぼ夜久野だけになっている。
 
 竹内さんから「漆掻き職人になりたい」と相談を受けたNPOの岡本嘉明理事長(67)は、「いい青年だし、後継者になってほしいとの思いは、あふれるほどあった。だけど」と、採算に合わない仕事であり、いかに厳しいかを説き続けた。それでも竹内さんの決意は変わらず、「それなら」と大歓迎で支援していくことにした。
 
 住む場所はNPOで空き家を探して取り持った。ゆくゆくは作品と漆掻きで生計を立てていくが、一人前に育つまではと地元で働き口を探し、宿日直の仕事を見つけてきた。地域に溶け込めるようにも心を配って竹内さんを迎えた。
 
 「買い物が不便だったりしますが、近所の人たちにも気さくに声をかけてもらえ、うれしい」と竹内さん。「国産漆は輸入物と明らかに品質が違う。その中でも、丹波漆は格別。自分で育てた木から採取した漆で、良い作品をどんどん出していきたい」と目標を語る。
 
 岡本理事長は「独特な技法の丹波の漆掻き技術を持っているのは私たち世代だけ。経験を積まないと覚えられるものではなく、体力的なこともあり、今のうちでないと伝えきれない。後継者を大事に育て、若い人たちが漆を守ってくれるようにしていきたい」と話している。
 
 
写真=生産量を確保するためには木を育てることが欠かせない。岡本理事長に指導を受けながら漆の苗木づくりから手がける竹内さん(夜久野高原で)
 
【関連ニュース】
 ・「丹波漆」を守るため生産組合をNPO法人化 学者や作家、地元も応援(2012年)
 
 ・文化庁「ふるさと文化財の森」認定 夜久野丹波漆林
 
 ・「丹波漆を伝統文化として継承を」 人間国宝の村山さんが訴え

    

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