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両丹日日新聞2012年6月 1日のニュース

市長選:福知山の課題(上)「最後の祭りか」 周辺部からの人口流出

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 「今回が最後になるかもしれません」−。25年に一度の大祭が、代々受け継がれてきた福知山市上野条地区。住民は、2015年10月の大祭が近づき、不安な気持ちを吐露する。

 上野条は市北部に位置し、源頼光一行が大江山の酒呑童子を退治するため戦勝祈願をしたと伝わる御勝八幡宮が鎮座する。
 
 前回の大祭が催されたのは1991年。その前年の10月1日現在で86人だった住民は、20年余りで38人(今年4月現在)にまで減り、住民の7割近くは65歳以上の高齢者が占める、いわゆる「限界集落」になった。
 
 小松俊彰自治会長(65)は「学校、郵便局などが次々となくなり、過疎に拍車がかかった」。
 
 市の補助事業を活用して昨年から年4回ペースで「上野条だより」を発行している。昨年の10月号には人口減などを理由に、3年後の大祭が最後になることを示唆した上野条文化財保存会長が、切実な思いをつづった。
 
 上野条だよりには、地域で取り組む絵手紙教室や大祭に向けた取り組みなど古里の今の様子をまとめている。東京や千葉、福知山市街地などに住む地区出身者約60人に発送し、古里への思いを強くしてもらい、「何人かでもこの地へ戻って、集落を維持してくれる人が出てきてほしい」(小松自治会長)と期待する。
 
 ただ、「行政の支援、補助は助かるが、高齢になるほど取り組むのが億劫になる。今のうちにやっておかないと」とこぼす。
 
 上野条と同様、65歳以上の高齢者が7割を占める夜久野町才谷の衣川豊自治会長(68)は、自治会長をもう一人の住民と交互に務めている。仕事を退いて10年、自治会長を務めて7年目だ。
 
 自治会の運営は厳しく、役員などは負担がかかり過ぎないように注意しながら、1人で何役も兼務してもらう。
 
 近い将来の自治会運営を考えるとき、「自治会統合」の話題が上がるが、市町村合併と同じように、財産や名称などの点でハードルが高く、現実味は帯びていないという。
 
 上野条の小松自治会長も「普段の話のなかで、自治会統合の話は出ます」とつぶやく。
 
 地域からの人口流出で、自治会機能や受け継がれた伝統文化などの維持が困難になる。市によると、数年前からは市外で暮らす出身者が自治会長になるケースもあるという。
 
 市は集落の維持、再生、活性化を図るため「ふくちの農山村応援事業」に取り組んでいる。対象集落は人口50人未満で、65歳以上の人が50パーセント以上を占め、地理的条件が厳しい「限界集落」と、それに近い「限界集落予備地域」。2005年10月1日の国勢調査の統計では、限界集落は23地区、予備地域は36地区ある。
 
 2010年10月1日の国勢調査の数をもとにした対象集落については現在集計しているが、両方ともこの数を上回ると見込まれる。
 
 ……………………
 6月3日告示、10日投開票の福知山市長選挙が迫ってきた。市町合併して6年の福知山市の課題を探り、3回にわたり掲載する。
 
 
写真=限界集落の人口流出に歯止めはかけられるか
 
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