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両丹日日新聞2012年3月10日のニュース

あすへの教訓(7)自分の地域は自分で守る 徐々に増える自主防災組織

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 東日本大震災の惨状を映し出すテレビに、愕然とした。福知山市三和町菟原中の瀧本俊晴自治会長(63)は、自治会で自主防災組織の立ち上げを計画していたところだった。自分たちの地域でも大きな災害がいつ起きるか分からない。起きてからでは遅いと、痛烈に感じた。

 大震災発生の直前、昨年3月11日の午前中、瀧本さんは組織結成に向けて、菟原小学校の緊急備蓄倉庫の確認に行った。非常食や毛布などが備わっていることを見届けて帰り、午後にテレビで大震災を知った。
 
 被災地の惨状を見て、悲しみの気持ちが沸き起こる半面、「絶対に自主防災組織が必要だ」との思いを強くした。
 
 自主防災組織は、災害から地域を守るため、自治会などを母体に、住民が自発的に結成し運営する。防災用具などの購入の際には市から補助金が出る。市内で組織の結成が始まったのは1996年度からで、その年は1自治会で発足した。
 
 前の年の95年には阪神淡路大震災が発生したことで、多くの自治会が結成すると思われたが、97−99年度はゼロ。その後徐々に増えていったが、著しく増加したのが2005年度。前年度と比べ約3倍の60自治会で組織された。前年秋に福知山市内で台風23号による甚大な被害が発生。市民らが「災害は身近で起きる」と痛感したことが増加につながったようだ。
 
 昨年の東日本大震災以降も数は増加傾向にあり、今年度はすでに22自治会が立ち上げている。3月8日現在で327自治会のうち、202自治会が組織。その率は61・8%になる。
 
 地域的に見ると、周辺部で組織率が低い傾向にある。上夜久野地区では24自治会のうち、立ち上げているのは7自治会のみ。
 
 周辺部は昔から近所づきあいが濃く、災害時の避難の際も声を掛け、助け合うことが出来る。「今さら組織をつくらなくても」との思いがあるため、未組織の自治会が多いのでは−と、市総務課は推測する。補助金で購入出来るスコップなどの防災用具も、すでに所有している民家が多い。
 
 未組織の才谷(上夜久野)の衣川豊自治会長(68)は「必要性は認識しているが、区全体の高齢化が進み、組織をつくっても、うまく機能するかどうかが問題」と話す。
 
 佐賀地区は4自治会あるが、人口減や高齢化などが原因で、それぞれの自治会単位では組織立ち上げが難しいとして、合同で1組織をつくっている。報恩寺の松本敏信自治会長(68)は「組織力が発揮出来る点では有効で、今は運営がうまく出来ているが、将来更に再編が必要な時期が来るかもしれない」と心配する。
 
 市では自主防災組織の組織率を上げるため、今後も集会などで重要性を説明していくが、まずは「自分たちの地域は自分たちで守る」といった共助の理念を理解してもらうことが必要だとしている。
(島田純吾記者)
 
 
写真=災害が起きた時に役立つ防災用具。上荒河自治会では東日本大震災以降、ライトやバケツなどを順次そろえている
 
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