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両丹日日新聞2012年2月28日のニュース

地域活性化と学生の力−若者との接し方を示唆 コトおこし講座

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 大学や若い人の力を地域活性化にと、連携を模索する動きが広がっている。そこで、先進事例を学ぶ講演会を京都府が26日、福知山市西小谷ケ丘の成美大学で開いた。地域を元気にする人材を育てる「地域コトおこし実践者講座」の一つ。講師を務めた京都精華大学の片木孝治准教授は、福井県鯖江市で行っている河和田アートキャンプの体験を通して、若者たちとの接し方を示唆していった。

■河和田アートキャンプを例に■
 
 河和田は13の集落からなる地域で、片木さんがかかわるようになったのは2004年の福井豪雨がきっかけだった。被災地支援のために現地へ向かい、学生たちと泥かきをした。地域の子どもたちのためにと工作指導もした。これが縁となり、翌年からアートキャンプが始まった。
 
 空き家になっている古民家を合宿所にして、毎年12の大学の学生150人ほどが8、9月に共同生活をしながら、アート制作をする。鯖江は世界有数の眼鏡フレーム産地であり、漆器の里でもあり、地域には様々な技術を持つ人たちがいる。学生は住民から知識や技術を教わりながら、新たな感性を加えて作品づくりに打ち込んでいく。
 
 学ぶことは技術・芸術分野にとどまらず、食生活や伝統文化にも広がり、住民たちとの交流は様々に広まっているという。
 
 地域とかかわることをテーマにしていて、草刈りなどにも積極的に参加。刈った草で作品をつくり、展示が終わると堆肥にし、借りている田畑に使って自分たちの野菜を育てるようにもなった。学生たちは河和田地区を第二の古里だと思い、「河和田へ行こう」ではなく「今年も河和田へ帰ろう」と会話しあっているといい、移り住む学生(卒業生)も出てきた。
  
■住民と接触する中で土地に愛着■
 
 地域に活気をもたらしている取り組みだが、学生たちに「地域づくりに参加している」という意識は無いという。これを片木さんは「山にハイキングに行こうというと若い人は渋るけど、バーベキューに行こうというと喜んで参加する」ことに例える。地域活性化に参加しているのではなく、創作活動に行っているのだとの意識。ただ、創作のための土地を借りたり、知識や技術を教わったりするために地域の人と話をすることで、地域への理解が深まり、愛着がわいてくる。
 
 こうしたことを踏まえた上で、受け入れを考える地域側には、「学生を無償の労働力だと考えてはいけない」とアドバイスした。
 
■「単位が目的ではないから」と参加学生■
 
 講演後は来場者からの質問を受けてのトーク。毎夏、若者たちでにぎわい、学生が来るのを心待ちにする人が多い取り組みだが、最初は近所をあいさつに回っても「うちには関係ありません」と戸を閉められたという。集落を歩いていて「また来てね」と声をかけてもらうまでに5年かかった。にぎやかになることを喜ぶ人ばかりでなく、「うるさい」と市にクレームを入れる人がいたことも明かした。
 
 実際に参加している学生も、会場からの質問に答え、アートキャンプには大学の単位は出ないことを紹介。「単位がもらえるなら単位が目的となり(意識が違ってしまい)、1年目は参加しても、2年目は行かないだろう」などと説明した。
 
 今回の講演会を運営した一般財団法人地域公共開発機構京都北部オフィスによると、河和田以外の地域でも、アートに限らず様々なかたちで学生たちのキャンプが計画されているという。
 
 
写真=講演後に片木さんや学生が会場からの質問を受けてトークを広げた

    

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