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両丹日日新聞2011年9月 4日のニュース

雷に驚き逃げ出したワンコ、車にはねられ負傷 識別チップで飼い主の元へ

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 夏の雷に驚いた飼い犬が脱走。車にはねられケガをしたが、個体識別マイクロチップが装着してあり、無事飼い主の元へ戻ることができた。そんな事例が福知山市内であり、チップ普及に取り組む京都府獣医師会は「やっぱりチップは役に立つ。かわいそうな犬を減らすため、どんどん広めたい」と、活動に自信を深めている。

 この犬は上小田の会社員、中見重喜さん(38)が飼っている「エス」で、雑種のメス4歳。今年7月の終わりに、府動物愛護管理センターでもらい受けてきた。
 
 いなくなったのは、庭で機嫌良く暮らし始めたばかりの8月10日。夕方のことだった。空がゴロゴロ鳴りだし、それまで静かにしていたエスが急に騒ぎ出した。心配して中見さんが庭へ回ったそのとき、とびきり大きな雷鳴がとどろき、パニック状態になったエスは首輪をふりほどいて一目散に外へと飛び出してしまった。
 
 一家で付近を懸命に探したものの見つからず、不安を抱えながらの日が続いた。
 
 安否が分かったのは22日。府中丹西保健所から「保護している」との電話があった。
 
 急いで引き取りに行くと、左後ろ足をケガしている。自宅から6、7キロ離れた国道9号付近で、「ケガをした犬がいる」との通報を受けて保健所が保護に向かったのだという。首輪をしていなかったものの、マイクロチップを読み取る専用リーダーをかざすと反応。固有の数字が表示され、調べてすぐに中見さんの飼い犬だと分かった。
 
 動けず、へたりこんだままだったエスだが、保健所へ迎えに来た中見さんの姿を見たとたん、むくむくっと立ち上がり、うれしそうにすり寄ってきた。
 
 足は自動車にはねられ、すっかり皮がむけてしまった状態だったが、動物病院で手当てを受けて、無事回復に向かっている。「見つかって本当によかったです」。やさしくエスを見つめる中見さんは、「みなさんとチップのおかげです」と感謝する。

■府獣医師会が普及に力 装着に助成も■

 今回のケースで効果を発揮したマイクロチップは直径2ミリ、長さ8−12ミリ程度の小さな円筒形カプセル。狂犬病予防などの注射より少し太い針で皮膚の下に埋め込むだけとあって、作業はすぐ終わる。
 
 カプセルの中には15ケタの番号を記録した電子回路が入っていて、専用リーダーをかざして読み取る。登録データは海外でも通用し、ヨーロッパやアメリカなど世界で普及が進んでいる。
 
 府内では府獣医師会(原哲男会長)が普及活動に力を入れていて、読み取りリーダーを市や警察に寄贈しているほか、飼い主がチップを装着する際の費用負担が少ないようにと、大幅な助成もしている。
 
 府獣医師会副会長の清水弘司・清水ペットクリニック医院長は「雷に驚いて逃げ出す犬は、毎年たくさんいますし、雷に限らず、どんなことで逃げ出すか分かりません」と、迷子対策の必要性を訴える。
 
 小動物部会長の岡井忍・岡井動物病院長も「阪神大震災の際に、混乱の中で飼い主と巡り会えないまま処分されたペットがたくさんいたのが、チップ普及活動の原点。東日本大震災で同じ状況が繰り返されています」と、阪神、東日本の両被災地支援に出向いた体験をもとに、チップの有用性を力説する。
 
 装着についての問い合わせは各動物病院で受けている。
 
 
写真=岡井獣医からチップの説明を受ける中見さん。無事保護された「エス」は順調にケガが回復している

    

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