WEB両丹

きょうあったいい話、夕飯までに届けます。京都府福知山市の情報を満載した新聞社サイト

タブメニュー

両丹日日新聞2011年8月15日のニュース

【丹波大文字】60年間山の上で見守り続ける 新庄の蘆田芳郎さん

0812ashida.jpg
 これまで下から大文字焼きを見たことがない。炎が燃え盛る時間はいつも山の上にいる。
 
 昭和27年(1952)に始まった姫髪山(標高406メートル)での丹波大文字。ふるさと福知山市の盆の行事として行われるようになって今年でちょうど60年。点火作業は地元住民らがしているが、蘆田芳郎さん(82)=新庄=は行事が始まったころから毎年作業に携わっている。

■22歳のころから点火作業 多くの市民の喜ぶ顔支えに■
 
 丹波大文字は、お盆に迎えた祖先の霊を再び浄土に送る仏教行事。毎年8月16日夜に営まれる。福知山商工会議所、市仏教振興会、姫髪山のふもとにある奥野部、新庄の両地区住民でつくる保存会によって続けられている。
 
 点火など山での作業は地区の人が担当。当初は若い人たちが多く、蘆田さんも22歳だった。「大」の文字を浮かび上がらせるため、山腹の雑木を伐採し、字の溝を掘る作業も住民たちで行った。「最初の年の送り火は掘った溝が曲がっていて、当時の警察予備隊(現陸上自衛隊)に協力を求め、下から双眼鏡で眺めてもらいながら、直していきました」
 
 山腹で燃やす薪は200束。山に上げる作業も住民の手で。15年ほど前に資材などを上げるモノレールが出来てからは「大変楽になりました」というが、80歳を超えた今も自分の足で登る。
 
 山の上では薪を井桁に組み、その中に枝や葉っぱなどを入れて点火する。今は安全のため地元消防団員がついて上がるが、以前はそうした要員もなく、炎が周りの雑木林に燃え移ったことも。「みんなで消して、顔が真っ黒になったのを覚えています。そんなことが3回もありました」と振り返る。作業を終え山を下りて見上げると、山腹で赤い火が見えたため、もう一度登り、消した記憶も残る。
 
 送り火には雨も「大敵」。点火直前まで降っていて、開始の時ようやくやみ、何とか実施することが出来た年もあった。一度だけ台風の影響で17日に延期となった以外は、いずれの年も16日に出来ている。
 
 山腹で燃やすのは薪だけではない。市民から寄せられた塔婆を燃やすのも大事な役目。「市民のみなさんの中には、このことを知らない人が多い」
 
 ふもとに下りて、たくさんの人たちに「きれいだった」「良く見えたよ」と言ってもらった時が一番の喜び。「こうした言葉を聞くと、それまでの汗も苦労も吹き飛びます」
 
 「体が続く限りは大文字に携わっていきたい」という蘆田さん。今年も燃え盛る炎を間近で見守る。
 
■厚生会館で法要後、午後8時に点火■
 
 丹波大文字の点火は午後8時から。これに先立って同4時からは、中ノの市厚生会館で法要が営まれる。ご詠歌の奉詠のあと、市民から寄せられた塔婆が多くの僧侶たちによって供養される。また市仏教振興会は60周年記念として、40周年の時に作られたビデオをDVDとして復刻した。
 
 

写真=22歳のころから毎年点火作業に登る蘆田さんと姫髪山

    

[PR]



株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232

著作権

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。

購読申込 会社案内 携帯版 お問い合わせ