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両丹日日新聞2011年3月27日のニュース

迫る統一地方選(4) 悪循環生み出す鳥獣被害

0325kadai.jpg シカ、イノシシ、サル、アライグマ、ヌートリア、カラス…。全国的に問題となっている、これら有害鳥獣による農作物被害は、福知山でも例外ではない。駆除、防除、環境整備を主な柱に対策を講じているが、特効薬はなく、対策も難しい。

 有害鳥獣問題は、農作物の収穫減という直接的な被害のほかに、耕作意欲の減退→耕作地の放棄→後継者の不在→農村の定住人口減−といった悪循環を形成する要因になる。コミュニティーの崩壊にもつながる問題だ。
 
 福知山市が各農区を対象に実施した有害鳥獣調査によると、被害額は2005年度5184万円、06年度5218万円、07年度4884万円、08年度4438万円、09年度5343万円。5000万円前後で推移し、今年度も同じ傾向にあるとみられる。
 
 害を及ぼすのは、市の南の方はイノシシが主で、北の方はそれにも増してシカが多い。サルは比較的少ないが、アライグマ、カラス、ヒヨドリの被害もある。
 
 防除としては、電気柵、金網、檻の設置がある。これには費用も労力も必要。本格的な農家は導入が可能だが、自家消費分だけ作る農家にとっては大きな負担。まして、高齢世帯は施工自体が難しくなる。
 
 銃やワナによる駆除は猟友会に依存する面が大きいが、猟友会も高齢化や会員数の減少という問題を抱える。
 
 こうした状況に対し、府と市は、電気柵や金網の設置に補助金を設けたり、里山と耕作地の間を一定区間刈り払って見通しよくして獣の侵入を防いだりする対策を取ったりと、あの手この手で防除する。捕獲奨励金を用意し、猟銃免許の試験を年3回に増やし、銃の購入補助などの対策も講じる。今後は捕獲した獣の処理をしやすくするなどの対策も必要だ。
 
 電気柵の設置は、共同で行ってこそ効果がある。大江町の82歳の女性は、雨が降った共同作業の日、シルバーカーを押し、かっぱを着て参加した。珍しい光景ではない。
 
 一方、山間部で自家用に野菜を作る女性(80)は昨年、楽しみにしていたサツマイモを全部イノシシに掘られた。ほかにも、何度も荒らされ、今年から畑をやめる決心をした。
 
 放棄地が増えると、獣が隠れやすくなり、さらに周辺に被害が出やすくなる。これは、後継者の定住意欲も無くしてしまい、高齢化と過疎化にさらに拍車をかける。農地も山林も荒れると、次は水など別の問題も浮上する。行く末を案じる人は多い。
 
 
写真=耕作者による防除網設置の共同作業をする所もある
 
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