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両丹日日新聞2011年3月27日のニュース

迫る統一地方選(1)合併から5年-旧3町は

0322kadaiyakuno.jpg 統一地方選挙が迫っている。府議会議員選挙の告示は4月1日で、投開票が10日。翌週の17日には福知山市議選が始まり、24日には新しい顔ぶれが決まる。府議選の福知山市選挙区は定数2で変わりないが、前回、旧市域で無投票だった市議選は全市で32から26に削減される。市民の一票の重みが一層増す。厳しい財政事情のなか、課題が山積しており、いくつかを連載で紹介する。

 国は地方交付税を削減する一方、合併する自治体に合併特例債の発行を認め、返済金の7割を負担する「アメとムチ」の政策を進めた。2006年1月、福知山市は旧3町を編入合併し、新市が誕生した。あれから5年。
 
 市街地中心部から車で25キロ離れた旧夜久野町上地区中心部の精華小学校付近を訪ねた。人影はまばらで、ひっそりとしている。
 
 歩いてきた50歳代の男性は「近くの旧町門垣支庁が閉鎖され、役場も支所になり、行政の目が行き届いていない感じがする」と嘆く。
 
 今の旧3町の支所職員は各16人。旧町時代の役場はそれぞれ80人以上がいた。
 
 「福知山市民という意識はない。夜久野の住民という思いがいまだに強い」と、70歳代の女性。「支庁には、行政手続きだけでなく、心のよりどころを求めて行っていた」と寂しそうに話す。
 
 「下地区の支所までバスで往復すると半日仕事。不便だ」と70歳代の男性は言う。
 
 合併特例債の使途は、旧3町の多くの人が冷ややかにみる。市は223億円を発行し、17事業を実施する計画。テレビの難視聴対策などが目的のe−ふくちやま整備の41億円は恩恵があるが、他の学校給食センター建設22億円、総合防災センター29億円、仮称・市民交流プラザ42億円(いずれも見込み含む)など大半が旧市域での事業だ。
 
 ただ、市は旧3町でしか使えない過疎債43億円を充当し、98事業を計画しているという。
 
 国民健康保険は旧市と統一するため、旧3町では段階的に引き上げられ、住民負担が増えている。
 
 旧3町の小学校単位の地域公民館は、来年4月から地区公民館に。維持管理費が行政負担から住民負担になる。三和町川合地区の70歳代の男性は「負担を軽減するには、活動縮小をせざるを得ない」と地域活性化拠点の行方に不安を持つ。
 
 一方で、綾部市の医療機関に通院する同じ地区の70歳代の女性は、市バス運賃が09年に200円均一になったことを評価。「鉄道がないため、バスは命の綱。負担は従来の5分の1」と喜ぶ。
 
 旧大江町では、地元の伝統産業を学ぶ趣旨で、町内3小学校が手すきの丹後和紙の卒業証書を作っていたが、合併後、市教委の費用や公平性との観点から中止に。その後要望を受け、行政が印刷代のみを負担し、美河小だけ復活した。
 
 旧夜久野町の兵庫県境にある才谷地区は高齢者比率70%。若者が次々に市街地に流出し、自治会の存続さえ危ぶまれる。「もし単独で町が残っていても傾向は同じだったとは思うが」と地元の60歳代の男性は複雑な心境だ。
 
 今、旧3町の人たちが知恵を寄せ合い、活気づくりに努力し、わずかな予算で成功している催しもある。過疎高齢化、少子化が深刻な中、行政が市街地と周辺部の均衡ある発展を目標に施策を進めなければ、合併の痛みに苦しむ住民が生まれる。住民たちが地域への誇りをなくしてしまわないようにする行政の力が必要だ。
 
 
写真=一昔前と比べると活気が失われつつある旧夜久野町の上地区中心部
 
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