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両丹日日新聞2011年3月25日のニュース

猫のクースケ手紙を運ぶ 飼い主宅と事務所を行き来

0325kuauke.jpg 手紙を配達する猫「クースケ」が、福知山市大江町南有路にいる。脚の指をけがして「助けて」と言わんばかりに玄関先で鳴き続けていた猫を、倉橋英子さん(83)が昨春から家族の一員のようにして飼ってきた。昨夏、近くの工事事務所で働く女性が、道路上にいた人懐っこいクースケと遊んだのをきっかけに、倉橋さん方と事務所間を毎日のように行き来するようになり、心の絆を結んでいる。

 白黒2色の毛並みをした雄の猫で、倉橋さんが名付けた。
 
 昨年5月、自宅前で鳴き声がやまず、玄関の戸を開けると、右後ろ脚が血で染まった猫が倒れ込むようにしていた。「当時、周辺にアライグマが出没していました。指2本をかみ取られたらしく、やせこけて、見るに堪えない状態でした」と振り返る。
 
 動物病院で手当てを受け、自宅でも毎日、傷口の消毒や手当てを続け、やがて元気を取り戻して歩けるようになった。
 
 昨年7月のある日の夕方。便せんを折りたたんだ手紙を首輪に結んで帰ってきた。「かわいい猫ですね。何という名前ですか」と記されていたが、差出人が分からず「名前はクースケ。おばあさん2人で世話をしています」などと書いた手紙をつけて、朝に外出させると、差出人に届き、交流が始まった。
 
 自宅から50メートルほど離れた事務所に出入りしていることを確認したが、倉橋さんは「みなさんとても忙しそうで、声はかけなかった」という。
 
 それ以来、5回程度、手紙をやり取り。事務所の人たちからは「くうちゃんの甘え上手には負けてしまいます」「ここにいてくれるだけで癒やされます」といったものや「お尻からサナダムシと思われるものが出ています」と体調を気遣う文面も届いた。倉橋さんは手紙で感謝の気持ちを伝え、お礼にとお菓子を背負わせたこともある。
 
 今月上旬、倉橋さんと事務所の人たちが初対面。事務所の人たちが自費でキャットフードを買って与えてくれたことも分かった。
 
 倉橋さんは「殺伐とした世の中ですが、こんなに温かい気持ちを持つ人たちに見守られ、クースケは幸せ。事務所は我が家と違って室温管理が行き届き、昼間は居着くようになったのだと思います」と感謝していた。
 
 クースケは、お座りや段ボール箱に入って眠ることもしつけられている。
 
 事務所のパート、塩見雅美さん(33)は「朝、事務所の戸を開けると、待ち兼ねたように室内に入り、段ボール箱のなかでおとなしくしています。おなかをすかしたとき、私たちの足に体をすり寄せて甘えてきます。とてもかわいく、事務所のアイドルになっています」と笑みを浮かべる。
 
 事務所は5、6月ごろに工事が終わり閉鎖される予定。倉橋さん、事務所の人たちともに「交流が途絶えると思うと、寂しくなります。クースケもきっと同じ気持ちでしょう」と口をそろえた。
 
 
写真=事務所に届けるお菓子をクースケに背負わせる倉橋さん(左)

    

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