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両丹日日新聞2010年6月 7日のニュース

仲間を誤射 悲しい最期 有害鳥獣駆除隊員、猪野々の山中で2人死亡

0607ryoujyu.jpg 福知山市猪野々の山中で5日午後2時過ぎ、有害鳥獣駆除にあたっていた市内堀の印刷業、中嶋慶喜さん(67)と、かしの木台の会社員、三宅諭さん(65)が血を流し死亡しているのが見つかった。中嶋さんが三宅さんを誤って撃ち、苦にした中嶋さんが自殺したものと見られ、関係者に悲しみが広がっている=一部既報

 農作物を荒らす有害鳥獣の駆除要請を市から受け、仲間5人で午前9時から山に入り、シカやイノシシを追っていた。
 
 福知山署によると、午後1時30分ごろ、銃声がし、連絡を取り合っている無線を聞いた仲間が駆けつけると、三宅さんが頭などを撃たれ、大量の血を流して倒れていた。近くに中嶋さんがいて、救急車を呼ぶよう促され、自分の車へ携帯電話を取りに戻り、兄に「えらいことをした。三宅さんが倒れた。救急車を呼んでほしい」と119番通報を頼んだ。その後、銃声が聞こえ、仲間が駆けつけると、中嶋さんが胸に銃弾を受けて倒れていた。
 
 現場に福知山市消防本部の救急隊らが急行したほか、ふもとのコンビニエンスストア駐車場にドクターヘリが飛来し、医師と看護師が山中に入ったが、2人とも亡くなっていた。
 
 ともに狩猟歴30年以上のベテランだった。

■突然の悲報に知人ら驚く■
 
 三宅さんは市役所に長く勤務し、2004年に下水道部次長を最後に退職。市役所時代を知る人は「まじめで仕事熱心という印象。努力家だった」と話している。
 また、中嶋さんの近所の人は「以前に自治会の役員をされていました。穏やかで物静かな人でした」と、突然の悲報に驚いていた。
 
 
 
■防除に限界−深刻な獣害が背景に 駆除隊への期待大きく■

 事故の背景となった有害鳥獣問題。山間部での被害は深刻だ。植えたばかりの苗や、せっかく育てた農産物が収穫を迎えたところで、ごっそり食べられてしまったり、植林した木が皮を食べられたりと、被害総額は、報告されているだけで毎年4500万円ほどになっている。
 
 実被害だけでなく、農家の気持ちを萎えさせてしまう心理的ダメージが大きい。苦労して栽培してきた農産物が、人の口に入ることなく、シカやイノシシに食い荒らされる悔しさ、虚脱感。生産意欲を奪い、地域の元気をも奪ってしまう。
 
 獣害を防ぐための労力も、集落の大きな負担になっている。農地に張り巡らせた電気柵やフェンスは、市の補助対象になっている分だけでも延長767キロある。福知山市役所−京都府庁を4往復半できる長さ。それでも防ぎきれず、増えすぎたシカ、イノシシは駆除するしかなく、有害鳥獣駆除隊にかかる期待は大きい。
 
 昨年度に捕獲されたシカは、狩猟期間中が452頭、有害駆除が2758頭の計3210頭。イノシシは狩猟が231頭、有害駆除が369頭の計600頭。狩猟関係者は「捕っても捕っても追いつかない」とこぼす。
 
 有害鳥獣駆除隊は猟友会から推薦を受けた、経験を積んだ人たちで組織。いま189人いるが、高齢化が進み、駆除隊を維持していくのに苦心している。高齢化は、山へ入った際の行動にも影響してくる。「若い時のように山を走れなくなった」。山を歩き回るのは体力のある人でもきつい。
 
 そんな状況にあっても、駆除隊による銃猟への期待は強い。「ワナで捕獲される数も多いが、やっぱり銃猟は欠かせない。山へ入って、例え捕獲できなかったとしても、銃で追うことで、里は怖いと動物たちに思わせることが大事だからだ」と、関係者たちは話す。
 
 松山正治市長は「有害鳥獣の捕獲に意欲と技量を持った方々で構成され、安全を第一に活動していただいていただけに、今回の事故は残念でなりません」とコメント。これを教訓に、様々な角度から検討し、二度と事故が起きないよう万全の策を講じたいとしている。
 
 
写真=救急車やドクターヘリがふもとに駆けつけた(5日午後3時30分ごろ、猪野々で)

    

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